今回は、『発達障害の人は“世界の見え方”が違う、「感じ悪い、空気読めない」は誤解かも』という記事をご紹介します。
発達にでこぼこのある子は、時にもどかしさを感じるほどに素直で真っ直ぐです。
“普通”なら、その時々の状況を考えて柔軟に対応する場面でも、発達にでこぼこのある子は真っ直ぐに突き進んで行ったりします。
我が強い子なら思い切り衝突してトラブルになりがちですし、気の弱い子なら誰かと衝突しそうになったということ自体にストレスを感じてしまいます。
素直だったり真っ直ぐであることは良いことなはずなのに、素直過ぎたり真っ直ぐ過ぎるあまり、周囲からは「感じ悪い」「空気が読めない」と問題視されてしまうのです。
では、どうすれば周囲から問題視されずに済むのでしょう。
そもそも、人が抱えている問題点は、見方を変えれば美点でもあります。
我が強いということは、自分をしっかり持っているということですし、気が弱いということは心根が優しいということです。
他にも、頑張れない人はいつでも自然体でいられて無理しない人とも言えますし、落ち着きがない人は好奇心旺盛でフットワークが軽いとも言えます。
それなら、そのままでも良いのではないかとも思ってしまいますが、どれだけ良いことや良いモノでも、行き過ぎると毒になってしまうものなのです。
行き過ぎかそうでないかの判断基準は、周囲に迷惑がかかっているかいないか。
本人が生きやすいよう環境を整えるのは大事ですが、本人の生きやすさを追求する中で他者に我慢を強いるようなことがあるとトラブルの原因になってしまいます。
それでは本人が周囲と上手く馴染めず生きづらくなってしまいますから本末転倒ですよね。
ですので、本人と周囲が折り合いを付けられるよう、保護者が人生の先輩として本人と一緒に落とし所を探ってあげてください。
他者とのコミュニケーションも、こういう時はこうした方が良いとか、こう言われたらこう返した方が良いとか、具体的な事例込みで教えてあげると、経験値・パターンとして少しずつ学習していきます。
また、本人と話している時に他者とトラブルになりそうな思考の癖だったり、他者の人格を否定するような発言が見られたら、都度都度しっかりと絶対に後回しにしたりせずに修正を加えてください。
口は災いの元と言うように、頭の中でならどう思っても自由ですが、口にすると宜しくないことはたくさんあります。
それらもしっかりと具体的な事例込みで教えてあげると、時と場合で言わない方が良いことがあるということを少しずつ学習していくのではないでしょうか。
もちろん、学習している途中で失敗してしまうこともあると思います。
他者から怒りなどのネガティブな感情を向けられると、どんな子であってもしんどいものです。
落ち込んでしまうこともあるでしょうし、責任転嫁して他者のせいにしてしまうこともあるでしょう。
そんな時も決して後回しにせず、しっかりと何が悪かったのか、どうすれば良かったのか本人と話をすることで、次からは気をつけるようになったりもします。
何度も同じ失敗を繰り返す場合は、本人の理解度が足りていないのかもしれません。
その時は、本人の年齢から少し下の年齢の子に教えるように伝え方を変えてみてください。
小さい子に言い聞かせるようにすると、意外としっかりと伝わったりします。
発達にでこぼこのある子は苦手なことが多いですが、全く成長しないわけでもありません。
数年単位ではなく数十年単位で成長したりするので、本人を毎日見ている保護者からは成長していないように感じられるかもしれませんが、10歳では出来なかったことでも、20歳になったらある程度出来るようになったりします。
色んなことを話し、色んなことを経験することによって、少しずつ少しずつ本人の中で経験値が蓄積していくのです。
経験値が蓄積されているかどうかは目に見えないので、こんなことをやっても無駄なのではと思ってしまうこともあると思います。
でも、どれだけ無駄なように見えることでも、将来の役に立つのかと思えるようなことであっても、本人が見聞きしたことや経験したことは決して無駄にはなりません。
いつかどこかで役立つことがあるかもしれませんし、役に立たないことでも、その経験値の積み重ねの上に本人が成り立っているのです。
他の誰も同じ経験はしていないでしょうし、”普通”の人なら絶対に積んで来ていない経験値です。そう考えると、本人は唯一無二で貴重な存在ですよね。
保護者は是非とも、そんな本人が生きづらくない生活が出来るようサポートしてあげてください。
そうは言っても、本人からの反応があまり返って来ない中での壁打ちはしんどいと思います。そんな時は私たちにご連絡ください。壁打ちの辛さは痛いほどに分かりますので、励まし合いましょうね。