今回は、『発達障害の子ども 何が困難? どう理解?』という記事をご紹介します。
発達にでこぼこがある子が、学校の先生の対応の悪さで学校へ行きたくないと思ってしまうのは割とあるあるな話ですが、何故そうなってしまうのか根本から考えてみましょう。
まず最初に、先生の発達障がいに対する知識の無さがあげられますが、発達障がいが学校の指導提要の中に盛り込まれたのは2022年です。つい最近どころじゃなくまさかの去年です。
それまで2010年に制定された指導提要を元に生徒指導していたわけですから、発達障がいに関する知識が無くて当然です。教員になる前も、なってからも学ぶ機会がないわけですから、自ら知ろう学ぼうと思わない限り知識は0に近いと思っていた方が無難です。
そうは言っても、発達障害者支援法が制定されたのは2004年ですし、ここ数年の世間の認知度からすると、知識0というのは単に学習意欲が無く情報のアップデートがされていないだけという気もしますが、そんな先生にどうしたら我が子の特性を理解してもらえるのでしょう。
どういうことが苦手なのか、どういうことをされると嫌がるのか、どういうことが好きなのか、どういうことに興味があるのかを一番よく知っているのは保護者です。
まずは先生に本人の生育歴のようなものを書いて渡してください。前にご紹介した相談支援ファイルでも良いです。
熱心な先生であれば、それだけで対応がガラリと変わると思いますが、それでも変わらないという場合が多いのも事実。
まぁ先生も忙しいですしね。個別対応は難しいというのも分からなくもありませんが、本人にとっては唯一の先生なわけです。理解してもらえないというだけでも、本人にとっては世界に拒絶されたような感覚を味わいます。
そんな本人の心情を思うと、保護者としては先生にも少しだけでも理解して欲しいところ。
ですが、先生の方にも事情があるわけで、それなら全く理解のない人でも出来そうな対応(本人の前で大声で怒鳴らない、指示は口頭ではなく紙に書くなど)を一つだけ守ってもらうようにお願いしてみてください。そして、そのことを本人にも包み隠さず伝えてください。
先生は事情があって全部やってくれるわけじゃないけど、これだけはやってくれるって、と保護者から聞かされたことを実際に先生がやってくれた時、本人は先生が自分のことを見てくれている、気にかけてくれているのだと安心するのです。
そして、保護者が言ってくれたからだという信頼感も生まれます。
先生側も、たったこれだけでこんなにも安定するのかという実体験を得れば、最初に渡した支援ファイルが生きてくるでしょう。
後は先生側次第ですが、変わらなかったとしても、”これだけはやってくれる”が本人にとっての安心材料となる可能性はあります。学校へ行く意味になったりします。
もし、”これだけはやってくれる”さえも守ってくれないような先生なら、こちらから見限ってしまうのが一番手っ取り早いです。
たった一つ、最低限のことですら出来ないのであれば、どうやっても”出来ない”のです。
発達にでこぼこのある子を育てている保護者なら、出来ないことを出来るようにしろとは言えませんよね。出来ないものは出来ない。
それなら別の方法を考えた方が建設的です。
先生側は変わらないのですから、こちらが環境を変えるしかありません。
年度で先生が変わるまで自宅で勉強しながら待つか、別の学校へ通うか、オープンスクールなどに通うか、自宅で勉強して通信制の高校を目指すなど方法はいくらでもあります。
得意なことを伸ばしつつ、最低限の知識・教養を身に付けるための勉強もしつつ、得意なことを活かせるような就職をするための準備もします。
コミュニケーション力も身に付けた方が就職に有利なので、得意なことが出来る場所で仲間を見つけてください。最初は身内ノリが出来る場所が良いでしょう。
みんなと一緒じゃないことに不安を覚えるかもしれませんが、就職ではみんなと一緒じゃない部分が強みになります。
みんなが経験していないような経験をしてきたことが強みとして出せるのです。
職業は何でも良いのです。自分一人を養っていけるくらいのお金が稼げて、しっかりと納税していれば充分立派です。
実家から出られなくても良いのです。それで浮いた家賃分のお金が貯められるのであれば、親が亡くなった後も安心ですよね。
大事なのは本人が心身ともに健康かどうか。
心身ともに健康でいられない場所からは逃げた方が良いですし、ずっとそこに居続けるメリットは殆どありません。むしろデメリットばかり。
その選択が正しいのかどうかなんて、だいぶ後にならないと分かりませんが、本人が心身ともに限界を迎えているのであれば、そこから離れることが最善なことだけは分かり切っています。
まずは離れてから、そして落ち着いてから、今後のことはゆっくり本人と探していけば良いのではないでしょうか。
心身ともに健康でなければいけないのは保護者も同じです。心に余裕が無くなって来たなと感じた時は私たちにご連絡ください。溜め込んだ愚痴を吐いて心をスッキリさせましょうね。