今回は、前回の「睡眠不足は万病の元(1)」という記事の続編として、いよいよ早く寝てもらう方法をご紹介します。
その前に一つお断りですが、今回の記事で”今すぐにでも”効果のある「早く寝てもらう方法」というものはご紹介出来ません。
今すぐにでも早く寝てもらえるようにしないと本人が心身共に壊れてしまいそうというのであれば、まずは医療機関で診てもらうのが一番ですから、そちらと並行して今回の早く寝てもらう方法も実践してみてください。
上記サイトは、厚生労働省が提唱している快眠のための一般的な方法ですが、この方法を知ってはいても、実際に実践している方・快眠に繋がっている方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。
ちょっと試してみたけれど、効果が得られなかった。
生活習慣を整えているつもりだけれど、快眠には繋がっていない。
などなど、さまざまな理由で実践出来ていない・快眠に繋がっていない方が多いのではないかと思います。
では、厚生労働省が提唱している方法自体が間違っているのでしょうか。
実は、厚生労働省だけではなく医療などさまざまな公的機関が提唱しているこの方法には、一つ記載されていない大事なことがあるのです。
それは、「生活習慣を整えている」状態をずっと保たなければ”効果が薄くなってしまう”ということ。
ずっとなんて無理! と思いますよね。分かります。
上記サイトにはこういう記載もあります。
「良い習慣で体内時計を24時間にきっちりと調節すれば、規則正しい睡眠習慣が身に付いて快眠が得られます」
きっちりと調節なんて無理! と思いますよね。分かります。無理なものは無理。
でも、生活習慣のうち1個だけ、休日や祝日だけ出来れば良いよと言われたらどうでしょう?
最初は日曜日だけでも、何なら月に1回だけでも全然良いよと言われたら?
それなら出来るかも、と思いませんか?
もちろん、得られる快眠効果は少なくなってしまいますが、生活習慣を身に付けるのに一番大事なのはずっと続けられるかどうかです。
“努力”はずっとは続きません。”頑張る”も続きません。
努力しなくても、頑張らなくても出来るところから始めても全然良いのです。むしろ、楽に出来るところから始めるのが正しいやり方です。
ですので、上記サイトで提唱されている方法の中から、楽に出来そうなことを1つだけ選びます。
基準は、頑張らなくても出来そうか、ずっと続けられそうかの2点です。
以下に、簡単そうなものを簡単そうな順にご紹介していきますね。
●本人が良く過ごす部屋の灯りを白色電灯から暖色電灯に変える。
●朝、いつも同じ時間にカーテンを開けたり電気を付けたりして部屋を明るくする。
●ゆっくり湯船に浸かるなら寝る2時間前まで、さっと上がってしまうなら寝る直前にお風呂に入る。
●夜、寝る30分前からスマホなどの画面を見ない。
●夜、いつも同じ時間に寝る準備(明日の準備)を始め、いつも同じ時間に布団に入る。
●朝、昼、夜、いつも同じ時間にご飯を食べる。
●朝、いつも同じ時間に起きる。
いかがでしょう。
平日、園や学校に通っているなら出来ていることが多いのではないでしょうか。
大事なのは、これを休日・祝日にも出来るかどうか。ずっと続けられるかどうか、です。
発達にでこぼこのある子は変化が苦手です。
それをサポートする側も、いきなり全項目毎日やれと言われても難しいですし大変ですよね。
ですから、1個だけ。
しかも、本人に大きく反発されない範囲内で、サポートする側も楽に出来ることを、月に1回だけでも構わないので続けてください。
例えば、朝、いつも同じ時間にカーテンを開けたり電気を付けたりして部屋を明るくするという項目。
平日にも全く実践していないか時間がバラバラであれば、実践しやすそうな日から始めて、徐々に日数を増やしていってください。
平日は出来ているけれど、休日や祝日は出来ていないのであれば、まずは月に1回で構わないので休日や祝日も同じ時間に出来るよう習慣化を目指してください。
月に1回が習慣になったら、月に2回に増やして習慣化。
月に2回が習慣になったら月に3回、次は日曜日全部と徐々に出来る日数を増やしていって習慣化を目指します。
理想は毎日ですが、無理なら毎日でなくても構いません。
時々サボるのもありですし、疲れている時や忙しい時は他のことを優先させて大丈夫です。
もちろん、病気の時は自分の身体を最優先に。
でも、途中で完全に止めてしまうのだけはしないでください。細々とでも続けてください。
どれだけ効果が薄くても、何重にも重ね掛けしていけば、ある程度は快眠効果が得られるからです。
細々とでも続けるのが当たり前の状態になったら、他の項目もコツコツと習慣化を目指します。
もし、項目の中に出来ないことがあっても決して自分を責めないでくださいね。
発達にでこぼこのある子を見守り育てているのであれば、出来ないことを責めても意味がないことを十分に理解しているはずです。
出来ないことを無理して出来るようにするのではなく、簡単に出来ることをコツコツと増やしていってください。
出来る項目を無理して増やすより、出来る日数を少しでも増やす方がより効果的だからです。
最終目標は、毎日ルーティンのように同じ時間に同じことを繰り返す生活にすること。
そんな生活はつまらないのではと思うかもしれませんが、発達にでこぼこのある子にとって変化が少ない生活は、ストレスも少なくなる理想的な生活なのです。
何より、毎日ルーティンのように同じ時間に同じことを繰り返す生活を何年も続けていると、そのうち本人が毎日のルーティンから外れるのを嫌がるようになります。
朝、いつもの時間になったら自分でカーテンを開けたり電気を付けるようになるのです。そうしないと気が済まなくなるのです。
自然と寝る時間も早くなりますし、毎日のことなので慣れもあり、生活に関する色々なことが自分で出来るようになってきます。
そうなったら周囲のサポートも最低限となり、本人の自立も進みますし、サポートする側も劇的に楽になりますよね。
そこに至るまでには長い時間が掛かってしまいますが、出来ることをコツコツと決して諦めずに続けていけば、大きな大きな実りがきっと得られます。
行動しなければ何も変わらないどころか、ますます悪化する可能性が高いですからね。実行あるのみです。
早く寝てもらう方法が分かったところで、次回は実際に生活習慣を整えるための具体的な方法についてお知らせしますね。これ結構大事なんです。
いくら小さいことでもずっと続けるのは大変ですし、挫けそうになることもあると思います。そんな時は私たちにご相談ください。おしゃべりして、モチベーションを保てるようストレス発散しましょうね。