今回は、「学校からの配布物をきちんと持ち帰れない…そんな子どもに親がしてはいけないこと」という記事をご紹介します。
学校で配られたプリントを持って帰るのを忘れてしまう・親に渡すのを忘れてしまうのは”普通”の子でも割と良くあることですが、上の記事にあるように、発達にでこぼこのある子は学校でプリントが配られた事自体を忘れてしまう場合があります。
プリントが配られている時間帯は、クラス全員が帰る準備をしていてザワついていたり、先生がプリントを配りながら他の事を話していたりと、ただでさえ配られたプリントに集中しづらい状況です。
そんな状況の中、プリントを受け取った瞬間に隣の子から話しかけられたり、先生から「注目してください」と声を掛けられたりすると、手に持っているプリントの存在が意識の外に押し出されてしまいがち。
とりあえずプリントはしまっておかなきゃと行動しますが、別のことに気を取られているので、プリントをどこにしまったか忘れてしまったり、プリントをしまったという行動自体が記憶からスッポリと抜け落ちてしまうというわけです。
では、どうすれば学校で配られたプリントを持ち帰って見せてくれるようになるのでしょう。
上の記事にあるように、先生にお願いするというのが最も手っ取り早くて確実ですが、出来れば最終手段として取っておきたいところ。
まずは、本人が出来そうなことを試してみましょう。
「学校で配られたプリントを持ち帰って見せてくれる」という行動を分解してみると、大きく以下の二つの行動に分けられます。
1.学校で配られたプリントをランドセルなどに入れる。
2.ランドセルなどに入れたプリントを保護者に見せる。
こうして分けてみると、どうしても本人にやって貰わなければならない事は、1だけだということが分かるかと思います。
プリントがランドセルなどに入れられさえすれば、後は家庭での声かけや、ちょっとした手伝いでプリントを発掘出来るからです。
たとえ、ランドセルなどから出て来たプリントがグシャグシャでも全然良いのです。一番大事なのは学校からの連絡が保護者に伝わる事ですから、プリントを持ち帰っただけで充分エライのです。
では、どうすればプリントを学校の机ではなくランドセルなどに入れてもらえるか。
まずは、基本の「貰ったプリントは”すぐに”ランドセルなどに入れてね」という声かけを試してみます。
この、”すぐに”が一番大事なところですので必ず伝えてくださいね。
声かけは毎日同じタイミングで繰り返します。
朝出かける時でも良いですし、ランドセルなどの中を確認した時でも良いです。
ランドセルなどの中身を確認した時、学校からのプリントが入っていたら、プリントを入れられたねと必ず褒めてあげてください。
もし、学校で配られたプリントを持ち帰っていない事が分かっても責めないでくださいね。責めてもあまり意味はありません。
本人は、プリントを貰った事自体忘れている可能性もありますし、プリントを貰った事を覚えているのなら、どうして持って帰っていないのかと自分を責めているはずだからです。
声かけを1ヶ月ほど続けてみて、5割以上の確率でプリントを持ち帰れるようであれば、最終手段の「先生にお願いする」のはもう半年ほど様子を見るか、イベントの日程など絶対に見逃せない連絡に限り、ランドセルなどに直接入れてもらうことにすれば問題はそれほど起こりません。
他にも、ランドセルなど本人が必ず目にする場所に「もらったプリントを入れましょう」というメモを貼り付けておくという方法や、「プリント入れ」と大きく書かれたファイルに入れるよう声かけをする方法もありますが、どちらも1ヶ月ほど続けてみて効果があるかどうかで判断してください。
上記サイトは、忘れてしまうという特性を持つ人たちが、忘れないためにこうしているという工夫がたくさん掲載されているサイトです。
こちらも参考に、本人に合った対処方法を見つけるサポートをしてあげてくださいね。
色んな方法を1ヶ月ほど続けてみたけれど、どうしてもプリントを持ち帰る回数が少ないというのであれば、ためらわずに「先生にお願いする」という最終手段を選択してください。
それが、本人にとっても保護者にとっても学校にとっても一番良い選択だと思います。
学校生活を送る本人もいっぱいいっぱいで大変でしょうが、サポートする側も何かと声かけや確認が必要で大変ですから、大変な事をしている本人と自分を是非とも労わってあげてくださいね。
相談したい事があったり、悩んでいる事があるなら私たちの定例会に是非参加してください。サポートする側ならではのお話が出来ると思います。