今回は、宮崎県教育委員会が開発した「発達障がいを含む障がいのある子どもの『相談支援ファイル』」をご紹介します。
発達にでこぼこのある子だけではありませんが、人は色々な人と関わりながら生活しています。
家族や親戚、ご近所さんなどの身近な人々はもちろんのこと、乳幼児期は病院の先生や看護師さん、健康診断をしてくれる保健所の保健師さんや、通園すれば園の先生やお友だち。
小学校や中学校に通うようになればそれぞれの先生やお友だちと、生きていく上でたくさんの人と関わります。
発達にでこぼこのある子は一見、”普通”の子と変わりません。
そうなると、本人が抱えている困りごとや特性を話しても、あまり理解してもらえないことがあります。
少ししか関わらない人ならそれでも構わないと思いますが、毎日のように関わる人には本人についての理解を深めて貰わなければ、本人にも関わる人たちにもストレスが掛かってしまいます。
そこで、上記ファイルの登場です。
幼い頃からの本人を一番近くで見て来ているのは保護者です。
本人は自分で自分を見ることが出来ないので、一番身近にいる保護者の方が本人の困りごとや特性を本人よりも知っていたりします。
それに、本人と保護者が一緒に試行錯誤して見つけた対処方法もたくさんあるはずです。
どういうことをされると癇癪(かんしゃく)に繋がるのか。
どういう風にすれば指示が伝わるのか。
どうすれば落ち着くのか。
好きなものは何なのか。嫌いなものは何か。
得意なことは何か。苦手なことは何か。
これらの”今現在分かっていること”を事前に伝えれば、本人と関わる人たちがあまり困惑することなく本人と関わっていくことが出来るようになります。
もちろん、成長するに従って本人の出来ることも増えていきます。
そんな場合でも、このファイルを更新していくことで、関わる人たちに本人の成長具合が目に見えて分かりますし、本人も自分が成長していることを実感出来るはずです。
関わる人たちからの情報もファイルに加えていけば、より詳しく本人のことを知ることが出来るようにもなります。
ファイルの項目を全部埋めなくても大丈夫。
量が多くて書くのが大変でしょうから、これだけは伝えておきたいという項目だけでも全然良いと思います。
本人について知ってほしいと思い、関わる人に色々と話しても上手く伝わらなかったりすることがあるかと思いますが、話を聞いただけで分かってくれる人はそれほどいません。
事前に話を聞いて、詳しい資料を貰って、実際に本人の困りごとや特性を目にして初めて分かるという人は結構多いのです。
ですので、是非ともこのファイルを有効活用して、本人がストレス無く人と関われるよう手助けしてあげてください。
ファイルに書く内容などに迷ったら私たちにご相談ください。一緒に考えましょうね。