今回は、「言葉が出づらい子は吃音、場面緘黙、発達障害、どう判断する?言語聴覚士に聞いた!」という記事をご紹介します。
人見知りをして保護者の影に隠れてしまうというのは小さい子あるあるですが、小さい子は言葉も人見知りをしてしまうことがあります。
家族だけの場ではおしゃべりなのに、家族以外の人がいる場では口を開かない。
保護者はついつい「挨拶しなさい」と言ってしまいがちですが、小さい子が人見知りするのは、家族以外の大人が怖いからです。
大人でも、初対面の見るからに怖そうな人に挨拶しろと言われたら、「怒らせたらどうしよう」とビクビクしてしまいますよね。
小さい子からすれば、見上げるほど大きい大人は「進撃の巨人」に出て来る巨人のようなもの。
自分に絶対に危害を加えない、それどころか楽しいことをしてくれると分かるまでは気を許すはずがありません。
そう考えると、自分を絶対に守ってくれると分かっている人の影に隠れて様子を伺うのは、正しい行動だと言えるでしょう。
言葉も同じです。
何を言っても大丈夫と安心出来る環境であれば口から出て来ますが、不安感が強いとなかなか出て来ようとしません。
吃音(きつおん)や場面緘黙(ばめんかんもく)、発達障がいなど、言葉がなかなか出て来ない理由は様々ですが、言葉が出て来る理由はただ一つです。
本人がリラックス出来ているかどうか。
不安感が強い中で声を出せと言われても、「進撃の巨人」に出てくる巨人に囲まれている中で声を出せと言われてるようなものです。想像するだけで死ぬほど怖い。
そんな状態の本人に声を出せと強要する事は、更なる恐怖に追い込む事にもなりかねません。
周囲が出来ることは、不安感が増すような事をしないのはもちろんのこと、本人が安心出来るよう環境を整えること。
言葉以外でもコミュニケーションが取れるよう、「はい」「いいえ」と書かれた紙で意思表示してもらうなど、本人が出来そうな事から始めると良いのではないでしょうか。
言葉が出て来なかったり出辛かったりしている事は、周囲以上に本人が一番良く分かっています。
周囲から指摘されれば、その事を気にしてさらに言葉が出て来なくなったりもします。
なので、本人のペースでおしゃべり出来るよう、強要や指摘などはせず、そのままで良いんだよとありのままの本人を認めてあげてください。
初めましての人と会った時も「挨拶しなさい」と強要するのではなく、「人見知りする子なんです」と、本人が無理に声を出さなくても大丈夫な状況にしてあげてください。
そうやって何度も何度も守ってもらっているうちに、守ってくれる人がいる場なら言葉が出て来るようになったりもします。
家族と楽しくおしゃべりが出来ているのなら、きっと大丈夫。
家族、家族以外の親族、良く会う人たち、たまに会う人たち、初対面の人たちの順で難易度が上がっていくので、ゆっくりと時間を掛けて、家族以外の人たちともおしゃべりが出来るようサポートしてあげてくださいね。
おしゃべりの練習をしたい時は私たちにご相談ください。言葉が出なくても大丈夫と声を大にして言える私たちがお待ちしています。