性被害に遭わないために

今回は、「性暴力から子どもを守る 文科省「生命の安全教育」広がる 千葉県内教委・保育園も」という記事をご紹介します。

子どもへの性教育と聞くと、照れや、どうやって教えれば良いのか分からないからと避けてしまう保護者も多いと思います。

ですが、避けた先にあるのは、子ども本人も自覚しないまま性暴力の被害者となってしまう可能性です。

発達にでこぼこのある子は人懐っこい子も多く、ちょっと目を離した隙に居なくなってしまうこともしばしば。

卑劣な加害者は、まだ性に関して知識の無い幼い子をターゲットにします。その際、男女はあまり問いません。

幼い子は何をされたのか分からないまま成長して行き、ある日唐突に知るのです。自分が性暴力の被害者であることを。

他人から自分の人権を踏みにじられていたと理解した途端、自己肯定感は地表どころか地底深くにまでめり込みます。

そうなると、地表まで浮上することすら難しくなってしまいます。

たった1度の被害でも、生涯に与える影響は計り知れないのです。

そうなる前に最低限の知識だけでも持たせようと、最近では園児の頃から自分の身体を他人に触らせたらいけないという教育がなされるようになっています。

ここで言う他人とは家族も含まれます。

家族が加害者になるはずがないだろうと思われるかもしれませんが、性犯罪の8割は顔見知りによる犯行です。

ですが、警察に実際に届けられた被害届ではこの数字が逆転します。顔見知りによる性犯罪は2割以下になってしまうのです。

顔見知りからの性被害がいかに声を上げ辛いかが分かるかと思いますが、家族による犯行を最初から無いものとして扱うと、被害を受けた子どもは声を上げずに飲み込んでしまいます。

ですから、家族からの性加害を無いものとしては扱わず、可能性としてはあると頭の片隅に置いておいてください。

もちろん、自分が加害者になる可能性もあります。

気を付けていたつもりであっても、本人がイヤだと思うような事をしてしまう可能性は否定出来ません。

なので、物心がつき始めた2〜3歳頃からは本人の身体に無断で触るのは極力避け、家族であっても適度な距離感を保つ事が大事なのではないでしょうか。

一緒に暮らしていると距離感がバグりがちですが、血がつながっているとしても自分以外の人間は他人です。

赤の他人にしないようなことは家族にもしない。

ここをしっかりと意識し、子どもにも意識させていかなければ、幼い子は、親が自分の身体を勝手に触るのだから、自分も勝手に他人に触って良いのだと解釈して加害者になってしまう可能性もあります。

無自覚であっても被害者から見れば加害者は加害者です。やってしまった事は絶対に消えません。

そうなる前に、他人の身体を勝手に触ってはいけないこと、家族であっても他人に自分の身体を触らせたらいけないことをしっかりと教える事で、子どもが被害者にも加害者にもならずに済むのではないかと思います。

性教育は恥ずかしいと思うのであれば、今は色々と本が出ています。

幼い子ども向けの絵本も色々ありますし、思春期の子ども向けのもうちょっと詳しい本もマンガもあります。

男の子だから男の子の身体のことだけ知っていれば良いわけでも、女の子だから女の子の身体のことだけ知っていれば良いわけでもありません。

性に関しては多様化していますので、子どもが間違った知識を仕入れる前に、正しい身体のしくみをしっかりと学ぶ機会を設けてあげてくださいね。

どんな本が良いか悩んだ時は私たちにご相談ください。子どもの反応が良かった本をいくつかご紹介出来ると思います。