認識のズレは小さいうちに

今回は、「子どもが否定されたと感じる「一発アウト」の言葉  「聞いてあげている」つもりでも口を挟んでいる」という記事をご紹介します。

他人に迷惑を掛けたり、多くの人が不快だと感じる行動を動画に撮り、それをSNSなどに投稿して大きな社会問題に発展する。

最近、この手のニュースばかり見聞きしているような気がしますが、数年前にも「バイトテロ」という今回と似たような社会問題が起こっています。

SNSというツールの発達により、問題行動が多くの人の目に晒されやすくなった現代。

本人からすれば、ちょっとしたイタズラ心だったのだろうと思いますが、SNSは全世界の誰もが見れる掲示板のようなもの。

鍵をかけて全世界からは見えないようにしていたとしても、鍵の中が見れる人が全世界から見える自分の掲示板に晒せば鍵の意味はあってないようなものです。

一度晒されれば、本人の名前や学校、自宅住所まで特定されてしまうことも多く、最終的には逮捕されてしまうことも少なくありません。

SNSが無ければこんなことにならずに済んだかといえばそうではなく、SNSが無かったとしても行き着く先は同じになってしまう可能性は否定できません。

なぜならイタズラは、放っておけばどんどんエスカレートするからです。

目的を考えれば分かりますが、イタズラは周囲の反応が良ければ良いほど、目立てば目立つほど、次はもっとすごい事をやってやろうという気持ちになってしまうモノです。

途中で誰かが止めてくれたとか、周囲がドン引きして仲間はずれにされかけたとか、自分でこのままでは良くないと気付ければ良いのですが、そうでなければより過激になっていってしまいがち。

保護者としては、我が子がそうなってしまう前に止めたいですよね。

では、そもそも何故、イタズラをしようという気になるのでしょう。

目立ちたかったから。ムシャクシャしていたから。これくらいは大丈夫だろうと思ったから。周囲がノってくれたから。

ニュースになってしまった人たちの口から出た言葉の数々ですが、これら全てが自分本位であることが分かるかと思います。

では何故、自分本位な考え方になってしまったのでしょう。

そもそも自分本位とは、自分を最優先に考えていて、他人は後回しにしている状態のこと。

基本的に人は、自分がされた事をそのまま返します。それしか知らないからです。

自分以外の人やモノを後回しにして大事にしないのは、自分が自分以外の誰からも後回しにされて大事にされていないと感じているから。

恐らく、周囲の人たちは大事にしているつもりです。でも、本人はそう思っていません。

認識のズレが生じているのは、本人の望んでいるモノと周囲が与えているモノにズレが生じているからです。

話を聞きましょう。

発達にでこぼこのある子は自分の気持ちを言葉にするのが難しい場合も多いですが、たどたどしい言葉でも、何が言いたいのかよく分からない話でも、ただただ話を聞いてくれるだけでも良かったりするのです。

そして、言葉にしましょう。

こんなことは恥ずかしくて言えないだとか、子どもなんだから言っても分からないだろうとか、色々と言い訳して本音で向き合わない人間が信頼されるはずありません。

大事にしましょう。

本人の心身の健康よりも自分の見栄を優先させたり、周囲の目や意見の方を優先したりしていませんか? 誰からも大事にされていないと感じている人間は、思いもよらない行動をしたりします。

親子でも別個の人間なので、そこまでやってもどうしても認識のズレは生じてしまいますが、そこまでやっただけの価値は必ずあります。無駄にはなりません。

いっぱい会話して、いっぱい関心を向けてください。

関心は向けても干渉はしちゃダメです。本人の気持ちを大事にしてくださいね。

親子関係で行き詰まったり悩んだりすることもあるだろうと思います。そんな時は私たちにご相談ください。誰かに話すことで考えがまとまる事もあります。