今回は、『「ほめられないとやる気が出ない」という時代の空気…中間管理職が知っておきたい部下のモチベーションを高める“言葉遣いのテクニック”』という記事をご紹介します。
大人向けの記事ですが、やる気に繋がる褒め方についての記事なので、発達にでこぼこのある子を持つ親にとっても参考になるのではないでしょうか。
最近、育児書などでも子どもは褒めて育ててくださいと書かれていたりしますが、育児においてはただただ褒めれば良いというものでもありません。
「すごいね」とか「えらいね」という褒め言葉は、単体で使われた場合、子どもの心にあまり響かないからです。
誰でも簡単に口に出来るありきたりな褒め言葉なので、そのことに気付き始める小学校中学年くらいからはあまり通用しなくなります。
褒めるのであれば、ありきたりな言葉では無く、出来るだけピンポイントで具体的に褒めると良いです。
例えば、洗濯物を畳むお手伝いをしてくれている時。
「タオルの畳み方が前よりも丁寧になってる」と事実を口にした上で、「すごいね」と褒め言葉を加えると子どもの心に響きやすくなります。
子どもは大人に自分を見ていて欲しいのです。気にかけていて欲しいのです。
以前の自分よりも今の自分の方がすごいのだと、成長しているのだと大人が気付いてくれることが何より嬉しいのです。
ですから、「すごいね」とか「えらいね」という褒め言葉は無くても、以前よりも出来るようになっていることを口にするだけでも本人のやる気に繋がったりします。
もちろん、褒め言葉があった方がよりモチベーションが上がりますが、あまり口にし過ぎると子どもが褒め言葉に慣れてしまうので、ここぞという時に限定した方が効果的かもしれません。
発達にでこぼこのある子は褒められることよりも叱られることの方が多いです。お外の世界では、自分でもどうしようもないことで叱られることだってあると思います。
ですから、おうちでは目一杯褒めてあげてください。
本人と一緒に生活している中で、本人が出来るようになって来たことなんて山のようにあるはずです。
それを口にするだけで良いのです。簡単です。
ちょっと前まで忘れ物いっぱいだったのが、最近は少なくなってきたね。
玄関にランドセル放置してたのがお部屋まで連れて行けるようになってきてるじゃん。
お皿の片付け、言われなくても出来るようになったね。
数年前の本人と今の本人とを比べて、前回の本人と今回の本人を比べて、出来るようになっているところを余す事なく伝えてあげてください。褒めてあげてください。
生まれた時はあんなに小さかった子が、ちょっと前までよちよち歩きだった子が、あれこれと出来るようになっているのに気付いてちょっと感動したりもすると思います。
その気持ちも是非とも本人に伝えてあげてください。
保護者が自分の成長を喜んでくれている、関心を持って見てくれている、成長に気付いてくれる。
たったそれだけのことでも本人にとっては嬉しいことだったりするのです。
それに、そうやって出来るようになってきたことを褒めていると、本人が自分から出来るようになってきたことを報告してくれるようにもなります。
前よりも出来るようになったんだよと嬉しそうに報告してくれる本人と一緒に喜べることは、何よりも幸せなのではないでしょうか。
発達にでこぼこのある子は出来ないところばかりが注目されがちですが、出来るようになっている部分もたくさんあります。
子どもを褒めるのに技術なんて必要ありません。子どもをよく見ているだけで良いのです。
数年前との差を、前回との違いを、目の前に広がっている事実を口にするだけで良いのです。
たったそれだけでも子どもの自己肯定感は育っていきます。
一番身近にいる保護者だからこそ気付ける出来るようになっているところを、いっぱい本人に伝えてあげてくださいね。
子どもを褒めたいけど叱ってばかりいるという場合は私たちにご相談ください。追い詰められていると目の前のことすら見えなくなってしまうものです。まずは吐き出して、大きく深呼吸して、ゆっくり息が出来るようにしましょうね。