守れないような約束はしない

今回は、『発達障害の子の「能力を伸ばす親」が知っている「問題行動」の解決法』という記事をご紹介します。

発達にでこぼこがある・ないに関わらず、何かがキッカケとなり子どもが癇癪(かんしゃく)を起こしてしまうことがあります。

自分の思い通りにならなかった、誰かに叱られたなどなど、癇癪を起こしてしまうキッカケは様々ですが、一度癇癪を起こすとなかなか収まらず大変な思いをしているという保護者も多いのではないでしょうか。

例えば、本人がずっと楽しみにしていたお出かけが、前日などに突然、親の都合で別の日に変更になってしまった時。

行けなくなったわけではないので、“普通”の子や大きい子であれば不機嫌になりつつも何とか我慢して受け入れてくれるかもしれませんが、発達にでこぼこのある子や小さい子は急な変更をなかなか受け入れられません。

お出かけをずっと楽しみにしていたのなら尚更です。

別の日に変更になってしまった理由を説明しても分かってもらえず、ギャン泣きに次ぐギャン泣きで盛大に癇癪を起こし続ける本人を見ながら、何で我慢してくれないんだとため息をつく保護者は多いのではないでしょうか。

でも、少し考えてみてください。

私たち大人は我慢するのが当たり前のように思ってしまいがちですが、大人の都合をまだ年若い子どもに押し付けて我慢させようとしているのだという事を、もっとしっかり受け止めなければならないのではないでしょうか。

となれば、子どもが癇癪を起こしているのはごくごく当たり前の行動であり、約束を一方的に破ってしまった側の人間が出来ることは、本人に対して「ワガママ言わないの!」と叱りつけることなどではなく、誠心誠意謝り続けることしか無いのです。

約束を破ってしまったお詫びを用意し、約束を破られた本人の気持ちに寄り添い、「ごめんね」と謝罪して、出来ればもう二度としないよう心に誓ってください。

もちろん、突然の出来事で約束を守れなくなることもあると思います。

“もう二度としない”のは、約束を一方的に破ることであり、もしかしたら行けなくなることがあるかもしれないと事前に本人に伝えていたなら、”約束を一方的に破った”ことにはなりません。

本人も行けなくなることがあるかもしれないと事前に分かっていれば、行けなくなったとしても我慢して受け入れてくれる可能性だってあります。

我慢してくれなかったとしても、それは子どもにとって当たり前に抱く感情です。

その時は、本人の気持ちに寄り添って誠心誠意謝ってください。ご機嫌を取ってください。

ただ、謝って機嫌を取ればそれで解決というわけでもありません。

何度も繰り返し約束を破るようだと本人からの信用を失くしますし、癇癪を起こせば保護者が謝ってくれる、機嫌を取ってくれると誤った学習をしてしまう可能性だってあります。

ですので、どんなに小さな約束でも約束したことは必ず守るようにしてください。守れないような約束はしないでください。

“もう二度としない”と心に誓うのは、本人のためというより保護者のためなのです。

事前に考えられる不測の事態は全て本人に伝えておき、出来れば紙に書いて残しておいてください。

実際に不測の事態が起こって予定が変更になった時は、その紙を見せながら説明をすると割とすんなり納得してくれたりします。

納得してくれた時は「ありがとう」と感謝の言葉も必ず伝えてくださいね。大事なとこです。

約束を守ると口で言うのは簡単ですが、実際に約束を守るのは大人でも難しいことです。

その難しいことをしっかりと行動で示すことで子どもは大人を信用しますし、約束は守らなければならないものだということが本人の中で当たり前になったりもします。

それに、急な予定変更があっても普段から誠実な対応をしていれば、そう大変なことにはならないのではないでしょうか。

もちろん、年齢が上がるにつれて”不測の事態は仕方がない”と大人並みの対応をしてくれるようになったりもするでしょう。

そうなった時は是非とも、大人並みの対応をしてくれたことを大袈裟なほどに喜んで、でももう少しだけ子どものままでいて欲しいとも言ってあげてください。

自立心が芽生え始めているのは喜ばしいことですが、無理して我慢させたいわけではありませんよね。

子どもに甘えてもらえる大人の特権を手放すのは、もう少しだけ先延ばしにさせてもらいましょう。

ありとあらゆる不測の事態を想定していても、ちょっとしたことで癇癪に繋がってしまい疲れてしまうこともあると思います。

そんな時は私たちにご連絡ください。一緒におしゃべりしてストレス発散しましょうね。