今回は、『毒親にならないために』という記事をご紹介します。
“毒親”という言葉が生まれたのは1989年だそうですが、よく目にするようになったのはここ数年。
“親ガチャ”という言葉もあるように、親に不満を持っている子どもが多いことが窺えます。
親に不満があるのなら、それを直接親に伝えたら良いのでは? と思われるかもしれませんが、親の立場だからそう思えるのだという自覚を親自身が持つべきではないでしょうか。
自分が子どもだった頃のことを思い出してみてください。
上司と部下、先生と生徒、先輩と後輩、年上と年下、男性と女性、姑と嫁のようなうっすらとした力の上下関係が、親子の間にもあったのではないでしょうか。
信頼関係が築かれている間柄なら力の上下関係は薄れていきますが、信頼関係が築かれていない、もしくは崩れたままでは、指導も指示もスムーズには通らなくなります。
こちらが”指導や指示”だと思っていても、相手は”命令や強制”だと感じてしまうからです。
うっすらとした上下関係があることを上の立場の者が認識しなければ、こちらが普通に接しているつもりでも、下の立場にいる人間もそう思ってくれているとは限りません。
親子の場合、子どもが反発してくることが多いので、うちはそんな上下関係はないはずと思ってしまいがちですが、どんなご家庭でも、どれだけ仲の良い親子であっても、子どもは親に対して逆らえない、逆らってはいけないという圧力をうっすらと感じています。
これは日本という国全体がそういう雰囲気なので変えるのはなかなかに難しい部分だと思いますが、立場が上にある者がそれを自覚し、下の立場にある者をしっかりとフォローすることで良好な関係を保つことは可能です。
親子間であれば、愛情を持って接する他に、子どもを一人の人間として扱うだけでも充分です。
何を当たり前のことを言っているのかと思われたかもしれません。そんなことはもうやっていると思われたかもしれません。
でも、本当に自分の子どもを一人の人間として扱っているでしょうか。
見ず知らずの第三者になら言わないようなこと、しないようなことは絶対にしていないと本人の目の前で堂々と言えるでしょうか。世界中の人間に誓えるでしょうか。
身内なんだから少しくらい適当に扱っても良いのではと思うかもしれませんが、身内だからこそ最も気を使わなければならないのです。
見ず知らずの第三者や知り合い、友だちであれば、連絡手段と住居を変えれば関係を断ち切ることが出来ます。逃げることが出来ます。
でも身内は、血縁というどうやっても断ち切れない強い繋がりがあり、法律的にも戸籍に登録されている家族が最も強い繋がりを持っているのです。そう簡単には逃げられません。
そんな相手に長い時間をかけて酷い扱いをし続ければどうなるか、ニュース等を見ていれば嫌でも分かりますよね。
大袈裟な、と思うのはいじめる側と認識が同じで、いじめられている側の認識はいじめる側が想像している認識の10倍は軽く超えます。
もちろん、親は子どもを指導する立場にもあるので、身に付けておいた方が良い基礎知識や教養を指導しなければなりません。
そう考えると子育てって難しいと思われるかもしれませんが、身に付けておいた方が良い基礎知識や教養を指導しつつ、見ず知らずの第三者になら言わないようなこと、しないようなことをせず、愛情を持って子どもが心身ともに健康でいられるよう心がけるだけで良いのです。
互いを尊重しながら信頼関係を築いて行くだけで充分なのです。
発達にでこぼこのある子は周囲からの理解が得られにくいことから、人間不信に陥り、他者と信頼関係を築くことが難しくなってしまうことがあります。
想像してみてください。
自分が感じている辛い感覚を誰にも信じてもらえず、自分が行動するたびに誰かから叱られ、どうしても出来ないことを何故出来ないのかと責められるのです。想像するだけでもしんどいですよね。
ですので、保護者はそんな世界にいる本人の一番の味方でいてあげてください。
基礎知識や教養を身に付けさせる過程で焦る気持ちは痛いほどに分かりますが、”成人するまでに身に付けさせなければならない”などという決まりは無いのです。”普通”と同じレベルじゃないといけない決まりもありません。
最低限で充分なのです。ツールを積極的に使って良いのです。誰かに頼って良いのです。
本人が心身ともに健康でいられれば充分だと、そう思える親であれば、子どもに”毒親”だとは思われないのではないかなと思います。
信頼関係を築くにはまずは会話から。何を話せば良いのか分からない時は私たちにご相談ください。一緒に考えましょうね。