遊びの中に学びを

今回は、「我が子の“理系脳”を育てる? 『はたらく細胞』『Dr.STONE』“理系の世界”を面白く描いた漫画たち」という記事をご紹介します。

発達にでこぼこのある子は勉強が苦手な子が多いです。

好きなことや得意なことなら勉強を勉強とも思わず、自分から進んでアレコレとこなしますが、苦手なこととなると全く手を付けようとしなかったりします。

学校の詰め込み型の勉強が合っていない、書き取りが苦手なのにキレイに書けるようになるまで書き取りを何度もやらされる、計算が苦手なのに計算ドリルが大量に出されるなどなど、本人に合っていない勉強方法が原因で勉強が苦手になってしまったという子も少なくありません。

勉強は、苦手意識を一度でも持ってしまうとハードルがかなり高くなってしまいます。

出来ればそうなる前に何とかしたいところですが、すでに苦手意識を持ってしまっていても何とかなる方法があります。

楽しいモノの中に勉強を組み込む方法です。

上記記事にあるマンガも、読んで面白い上に勉強にもなるモノです。

文字を読むのは難しいという子であれば、記事に記載されているマンガにはアニメ化されているモノもあるので、そちらをまず観てみると良いのではないでしょうか。

本人に面白いと思ってもらうことが重要なので、本人が面白くなさそうであれば無理強いはしないでくださいね。そのジャンルが本人に合わなかっただけなので、他のジャンルも試してみてください。

一つでも面白いと思えるアニメが見つかったら、次は同じジャンルのマンガを買い与えてあげてください。原作でも良いです。

同時進行で似たジャンルのアニメも見せていき、ハマるようならマンガを買い与えます。

マンガでは物足りなさそうなら、そのジャンルの事典や図鑑を買い与えてみてください。

本を読むことに抵抗感が無くなれば次々と本を読むでしょうし、読む量が多くなればなるほど読める漢字が増えて国語力も上がります。

マンガはちょっと、と思うかもしれませんが、やりもしないドリルを買うよりも費用対効果はきっと大きいです。

アニメだけではなく、ゲームにも勉強に繋がるモノはたくさんあります。

「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~ (桃鉄) 」は、やり込むだけで日本の地理に自然と詳しくなります。社会の勉強です。

近日発売される「桃太郎電鉄ワールド ~地球は希望でまわってる!~ (桃鉄ワールド) 」は、きっと世界の地理に詳しくなれるでしょう。

他にも、戦国無双では戦国武将の名がたくさん出てくるので日本史を学ぶ時のキッカケになりますし、スマートフォン向けアプリ「Fate/Grand Order」では世界史上の著名な人物が多数起用されているので、世界史に興味を持つキッカケになり得ます。

ボードゲームであれば、麻雀では役の点数計算で計算能力が鍛えられますし、カードゲームであれば、神経衰弱などで記憶力が鍛えられます。

かるたで百人一首を覚えることで古文に興味を持つキッカケになりますし、ナンプレでは数字に抵抗感がなくなり、根気強く考える力が身に付きます。

他にも、他者と対戦することでコミュニケーション能力が鍛えられたり、勝ったり負けたりすることで感情をコントロールする方法を学んだりします。

勉強しないからとアニメやゲーム、マンガを制限するご家庭は多いですが、制限しても勉強しないのであれば制限に意味はありませんよね。

どうせなら逆手に取って、アニメやゲーム、マンガで勉強もさせてしまいましょう。保護者も本人と一緒に遊んで楽しんでしまいましょう。

どのジャンルにハマるかは本人次第ですが、本人が面白いと思ってくれたら、そこから興味の幅を拡げていってあげてください。

本人の「見に行きたい」や「やってみたい」を出来るだけ制限しないでおくと、どんどん深みにハマって将来的には仕事に繋がることだってあるかもしれません。

他にも、公園の砂場で磁石を使って砂鉄を集めてカイロを作ってみたり、道端に生えている雑草の名前をスマホで調べてみたり、海釣りに行って釣れた魚の種類を図鑑で調べてみたりと、遊びや生活の場で勉強に繋がることはたくさんあります。

保護者がやっていることに興味を持ったりもするので、料理や掃除、洗濯などの他にも、車の動きや仕事に関することなど、色んな話を本人に振ってみてください。

お肉を煮込む時はお酒を入れると柔らかくなるんだよ。

排水溝に重曹をまいた後に水に溶かしたクエン酸を流すと泡立ってキレイになるんだよ。

洗濯物の生乾き臭は雑菌が残っているせいだから、除菌できる洗剤で洗濯すると防げるんだよ。

車がスピードを出すとシートに体が押し付けられるけど、急ブレーキを踏むと体が前に飛んで行っちゃうからシートベルトはきちんと締めようね。

このような生活の知恵は、理科や家庭科の勉強のキッカケにもなりますので、教えておいて損はありません。

今は分からないことはネットで調べることも出来ますので、分からないことはその場で調べて本人と共有することで知識が増えていきますし、本人の中で”分からないことはネットで調べる”ことが当たり前にもなります。

そうなれば、大抵のことはネットに情報が載っているのできっと大丈夫。保護者の手を離れても自分の力で人生を切り開いていけます。

あ、ネットの情報には嘘が混ざっていることも教えておいて下さいね。

信用出来るサイト(政府や自治体などの公的機関や大学や医師会などの学術機関、トヨタや花王などの大手企業など)と、そうでないサイト(まとめサイトや個人ブログ、YouTubeなどで出典が明記されていないなど)の見分け方とかも教えてあげてください。

一般的な勉強方法とは真逆だったりするので不安に思うかもしれませんが、一般的な勉強方法では勉強してくれないのであれば、遠回りのように思えても、効果があるのかどうか分からなくても、勉強に繋がりそうなアニメやゲーム、マンガを与えてみる価値はあるのではないでしょうか。

一般的な勉強方法を強要して本人から大きく反発されたり、本人の学習意欲が全く無くなるよりはマシなはずです。

もうすでに学習意欲が無いという場合は、勉強になりそうな遊びを本人と一緒に楽しんでください。楽しいことであれば毎日でもやれるので、勉強の遅れもあっという間に取り戻したりもします。

何より、本人が楽しそうにしている姿を見るのは保護者にとっても喜びではないでしょうか。

毎日つまらなさそうにスマホを見ている姿を見るより、勉強しなさいと言って癇癪(かんしゃく)を起こされるよりもずっと良いですよね。

他の教科の勉強になりそうなモノが見つからない時は私たちにご相談ください。提案の一つくらいは出来るのではないかなと思います。