今回は、『話を聞かずにウロウロ…落ち着きがない「発達障害の特性」との向き合い方』という記事をご紹介します。
そろそろお祭りの時期ですが、発達にでこぼこのある子に限らず、小さい子がお祭りに行くとなった時のソワソワ感は可愛らしいと思うと同時に、保護者は少し注意が必要になります。
ソワソワしていると、持って行く物を忘れたり、転びやすくなったり、周囲が見えなくなって迷子になったりしやすいからです。
何故そうなってしまうのかというと、楽しいお祭りのことで頭がいっぱいで、衝動的になったり注意力が散漫になってしまうから。
発達にでこぼこがあり、周囲からも落ち着きがないと言われてしまう子は、日常的にこの状態の子が多いです。
脳の機能障がいのせいだと言われていますが、少しイメージしづらいので、人間の身体を車に例えて説明してみますね。
手足はタイヤで、脳はエンジンです。睡眠や栄養がガソリンで、運転手は意識だと思ってください。
運転手がいない時は寝ていてエンジンである脳は休んでいますが、起きるとエンジンがかかり、脳はアイドリング状態になります。
何かをする時は運転手がアクセルを踏んで手足を動かしますが、そんなにアクセルを踏まなくても手足を動かせるのが”普通”の人だとすると、アイドリング状態からしてエンジン(脳)に負荷が掛かっているのが発達にでこぼこのある子です。
普段からエンジン(脳)に負荷が掛かっているのです。何もしなくても起きているだけでガソリン(栄養)を使いますし、少しアクセルを踏んだだけでエンジンが悲鳴を上げます。
エンジンが常に高負荷の状態なので、アクセルを踏み過ぎたら車体である身体はコントロールを失いますし、エンジンに負荷が掛かり過ぎると壊れてしまう可能性もあります。
運転手は大変ですよね。力加減が難しい上に、思うように車体(身体)を動かせないのですから、イライラするのも当然です。
何かするたびにガソリン(栄養)を大量に消費するので、日によっては一日持たないこともあるでしょう。
車であれば買い換えれば済む話ですが、身体はそうはいきません。
一生この身体と付き合っていかなければならない本人の苦労が少し分かったところで、周囲の人たちはどうすれば良いのでしょう。
まず、本人が自分でもどうしようもない状態なのだということを分かってあげてください。
“普通”の子であれば、お祭りなどに行く時だけ出て来る衝動性や不注意が、発達にでこぼこのある子は日常的に出ています。
そうであるなら、周囲が次にやるべきことは、テンションが上がってソワソワしている子がやりがちなミスを事前に予測して対策を練ること。
迷子にならないよう目を離さないようにしたり、転ばないよう手を繋いだりと、トライアンドエラーの精神で本人に合った対処方法を見つけてください。
そして、暴れ馬のような自分の身体を、自分の意思でコントロールする術を本人に身に付けさせてください。
必要なのはただ一つ。根気です。
ずっと続けるのは大変ですし、千本ノックのような毎日に心が折れてしまいそうになることもあると思います。
そんな時は無理をせず、自分を甘やかしてください。
疲れた時は休んで良いのです。少しくらい止まっても良いのです。誰も責めたりしません。
それに、保護者に疲れが溜まっている状態では、イライラして本人にも当たりがキツくなりがち。
そうなると負のループです。保護者が不安定だと本人も不安定になり、出来ていたことも出来なくなり、周囲も本人ももっと辛くなってしまいます。
保護者の心を安定させることは、本人のため、ひいては保護者のためなのです。
ですから、美味しいものを食べて、楽しいことをして、たっぷり充電してからまた歩き出せるよう、完全に心が折れる前に自分を甘やかして休んでくださいね。
当事者で、一番大変だろう本人も一緒に甘やかしてあげるとなお良しです。
困った時や悩んだ時は私たちにご相談ください。私たちも同じ悩みを持つ仲間です。建設的な話でも愚痴大会でも良いです。誰かに話すことで考えもまとまりますし、ストレスを緩和するお手伝いが少しでも出来れば幸いです。