今回は、『頑張った自分への「ご褒美」脳にもプラスに働く訳 「報酬系」という脳の神経ネットワークが活性』という記事をご紹介します。
発達にでこぼこがある子は、周囲から「やる気がない」「すぐ面倒臭がる」「怠けている」と思われがちです。
ですがそれは、”普通”の人なら簡単にこなせることでも大変な場合が多く、得られる結果が”普通”の人と同じだったとしても、本人にとって割に合わないと感じてしまうからです。
人間は、掛けた労力に対して結果が良くないと、余程のことが無い限り次もやろうとは思いません。やるだけ無駄だと思ってしまいます。
例えば、多くの人が挫折しがちなダイエット。
体重を減らしたいという気持ちだけで始めると、キツイ筋トレや厳しい食事制限を頑張ったのに体重が少ししか減らなかったという結果が出た瞬間、やる気が一気にしぼんでしまいます。
掛けた労力に対して得られた結果が小さ過ぎたためです。
こんなに頑張ったんだから結構減っただろうとワクワクしながら体重計に乗ったのに、それほど変わらなかったとなればガッカリしてしまいますよね。
発達にでこぼこのある子は、このガッガリを結構な頻度で味わっています。
周囲の子たちと同じ結果を得るためにクタクタになるまで頑張ったのに、結果は同じどころかそれよりも悪かったりするのです。やる気を無くして当然ですよね。
では、出来ることだけをやっていれば良いかというと、長い人生の中でそういうわけにもいかない場面も出て来るはずです。
やりたくないけどやらなきゃいけない、そんな場面が出て来た時にもしっかりとやれるよう、小さい子どものうちから訓練をしていきましょう。
まず最初に、「やる気がない」「すぐ面倒臭がる」「怠けている」ように見える本人に、掛けた労力に対して得られる結果が小さ過ぎてやる気が出なくなるのだと教えてあげて下さい。
そして、そんな現状を変えるために、自分が大変だな、面倒だなと感じているモノ全てにご褒美システムを設置するよう促してください。
朝起きる、歯磨きをする、学校へ行く、宿題をやる、お風呂に入るなど全てのモノです。
お菓子などのお金が掛かるご褒美は絶対に続かないので、それは特別疲れる日や特別疲れるような出来事に対してのご褒美として取っておき、普段はお金が掛からないご褒美にします。
保護者からの褒め言葉やシール、動画を見る時間など、毎日あげても大丈夫なご褒美を本人と一緒に設定して、出来たことに対してご褒美を与えます。
お財布と相談しながら、1週間ごとに保護者からのご褒美をサプライズであげたり、1ヶ月ごとに本人が好きな外食に連れて行くなどのご褒美も設定しましょう。
もうお分かりだろうと思いますが、褒め言葉を与えることになる保護者は最初は大変です。大変ですが、これがずっと続くわけではありません。
大きくなるにつれて、朝起きただけでえらいねと褒められることを喜ばなくなるでしょうし、お風呂に入っただけで褒められるのを恥ずかしいから止めろと言われるようにもなるでしょう。
早ければ数日、長くても数年です。たった数年続けられれば、毎日褒めなくても大丈夫になります。というか、褒められるのを嫌がるようになります。もう子どもじゃないんだからと。
保護者としては少し淋しい瞬間ですが、成長の証でもあります。褒めなくても良くなったのは喜ばしいことですが、かと言って、もう褒めなくても良いかというとそうでもありません。
本人がストレスを抱えている時や疲れている時などは、朝起きるのもお風呂に入るのも大変になるからです。
そんな時は是非とも褒めてあげてください。子ども扱いしてあげてください。
子ども扱いするなと嫌がりながらも、満更でも無さそうな顔が見られるのではないでしょうか。
そして、大変なのは大人も一緒です。子どもと違って褒めてくれる人がいないのなら、自分で自分を褒めましょう。
毎日朝起きててえらい。ご飯作っててえらい。子どもの面倒見ててえらい。
ちょっと大変だなと思うことをやった時、しっかりと自分に対してえらいえらいとヨシヨシしてあげてください。褒めてあげてください。
そして、本人にあげるサプライズなご褒美や月に一度の外食というご褒美を自分も一緒に味わってしまいましょう。自分にもご褒美をあげましょう。
間違っても、あれも出来てないこれも出来てないと自分を責めちゃダメです。
そうやって得られるモノは、タスクをいっぱい抱え込んでイライラする自分と、そんな自分に対する自己嫌悪と、イライラしている自分に影響を受けて不安定さが増す本人です。メリットは一つもない負のループ入りです。
そんな負のループに入りそうな時は私たちにご相談ください。溜まっている愚痴を吐き出してスッキリして、良いループに入れるようにしましょうね。