困りごとは小さいうちに

今回は、『発達障害の増加で「児童精神科の待機問題」が深刻 通常学級の11人に1人、特別支援学級の子も倍増』という記事をご紹介します。

メディアなどで発達障がいが取り上げられるようになり、世間での認知度が上がるにつれて「うちの子もそうなのでは?」と思い始めた保護者も多いのではないかと思います。

何となく育て辛さを感じていた。ちょっとしたことで泣き喚くので困っている。色々とミスが多く、そのフォローで時間が取られてしまう。学校の勉強について行けていない。しょっちゅうモノを失くしたり壊したりする。

こういうことがありながらも、でも少しだけだし、”普通”の子とそれほど変わらないし、と何も行動しないのは自分の首をじわじわと絞めているだけかもしれません。

何事もそうですが、問題が発生してから対処するのと、問題が発生しないように対処するのとでは、困難さが段違いだからです。

では、子どものちょっとした違和感についてはどう対処すれば良いのでしょう。

答えは簡単です。発達にでこぼこがあろうがなかろうが、ペアレント・トレーニングをしてしまえば良いのです。

ちょっとしたことで泣き喚く時は、基本的に放っておきましょう。

泣き喚けば自分の思い通りになる、親が構ってくれると学習すると、大声で喚き散らして自分の思い通りにしようとする迷惑な大人になってしまいます。泣き止んだら泣き止めたねと褒めてあげることで、泣くよりも泣かない方が話を聞いてもらえる構ってもらえると学習し、泣き喚くこと自体が減っていきます。

色々とミスをするのなら、そのフォローが自分で出来るように指導してください。

最初のうちは難しいでしょうが、毎回同じ手順を繰り返しロボットのように伝えていると、そのうち伝えなくても自分から手順を踏んで作業が出来るようになってきます。フォローしなくても良くなります。

それに、本人が自分でフォローするようになると、フォローが面倒なのかミスの数も自然と減っていきます。

学校の勉強について行けていない時は、何が原因で躓いているのかの見極めをしてください。

前の学年での理解が足りていなかったという場合は、前の学年のやり直しをすればついて行けるようになりますが、読み辛い、書き辛い、計算が苦手などが原因の場合は、保護者だけでは対処が難しくなります。

そんな時は専門家を早めに頼ってください。自分ではどうしようもないことで悩んでいるより、専門家の知識と技術に頼った方が自分のためにも本人のためにも良いです。

しょっちゅうモノを失くしたり壊したりする場合は、しょっちゅう失くしたり壊されても良い安モノを買い与えつつ、失くさないようにするにはどうすれば良いか本人と一緒に考えてください。

例えば傘。

朝は雨が降っていたけど帰る時にはやんでいたという場合、傘を持ち帰るのを忘れがちです。

傘の存在を忘れなければ良いのですから、好きなキャラクターの絵が描かれた傘だとか、好きなキャラクターのマスコットを付けるとかした上で、雨の日に傘を持ち出す時に必ず一言「傘も一緒に連れて帰ってあげてね」と声を掛けてください。

ここで大事なのは、「傘を忘れないようにね」ではないことです。

傘を単なる無機物ではなく、自分と一緒に連れて帰るべきモノという認識が少しでも付けば、愛着が湧いて大事にするようにもなります。壊さなくなります。

このようなペアレント・トレーニングをしていてもなかなか改善がされず、本人や保護者の心身の状態がじわじわと悪化してきたという場合は、専門家に早めに診てもらうことが保護者がすべき行動です。

一人の力には限界があります。ですが、助けてくれる人は必ずいます。

必ずいますが、声をあげてくれなければ気付けないのです。分からないのです。

こんなことぐらいでと思わず、困っていることがあるのなら私たちでも良いのでご相談ください。

幸い、誰でも気軽に参加出来るイベントが近々開催されます。

まずはこのイベントに参加してみて、それからちょっとだけ勇気を出して「相談があるんですが」と声を掛けてみてください。私たちはあなたからのご相談をお待ちしています。