モヤモヤを解消するために

今回は、『子どもの「国語力」を伸ばすために親が知っておきたいこと』という記事をご紹介します。

国語力を伸ばす方法と聞くと、国語の成績を上げる方法かと思われるかもしれませんが少し違います。

言葉の表現の幅や深さを広げるための語彙力、他者とのスムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力、他者や物事をよく観察し、その背景にある事情を思いやる能力、それらに共通する考える力などを総合したモノが国語力です。

日本では国の言語・国語として日本語を使うので日本語を使いこなす力とも言えます。

小学校低学年くらいまでは「良かった」「楽しかった」「嬉しかった」のような語彙力しかなかった子が、年齢を重ねるにつれて具体的に何を良いと思ったのか、何が楽しかったのか、どうして嬉しいと感じたのかを説明出来るようになるように、国語力を鍛えることで自分の気持ちを言葉にすることが出来るようになるのです。

発達にでこぼこのある子は自分の気持ちを言葉にするのが苦手です。自分の中にある感情が何なのか、それをどう説明すれば良いのか分からないからです。頭の中はモヤモヤでいっぱい。

観察することや考えることが得意な子だと、他者の言動を観察して推測し、遊んでいる時は楽しいという感情が湧き、笑顔で楽しいと表現するのが相応しいのだと学習していきますが、発達にでこぼこのある子は観察することがそもそも難しかったり、深く考えることが苦手だったりします。

そこで重要になってくるのが、保護者との日常です。

毎日の生活で保護者が喜怒哀楽様々な感情を表に出す。そして、それらを一つ一つ丁寧に説明する。それだけで良いのです。

それだけで良いとか簡単に言ってますが、保護者側はめちゃくちゃしゃべることになります。喉が痛くなるくらいしゃべります。つまりは、しゃべるのが苦手な人にとっては苦行です。

しゃべるのが苦手な人であれば、表情や身振りで大袈裟なほどに表現するという方法もありますが、それも苦手だという場合は、アニメや絵本、テレビの幼児番組を頼ってください。目を惹くキャラクターが大袈裟なほどの声や表情で様々な感情を表現してくれています。

コロナ禍でマスク生活を余儀なくされ、子どもたちの発達に影響が出ているとされているのがこの情緒的な部分です。顔の大部分が隠されたことで、他者の感情を読み取る力を育めなかった子が多いと言われています。

そう考えると、発達にでこぼこがある子が増えているのはコロナ禍の影響もあるのかもしれません。

丸3年です。丸3年もの間、発達段階の子どもたちはマスクするのが当たり前の世界で生きてきました。そうせざるを得なかった、命を守るためには仕方がなかったことではありますが、大人たちの言うことを聞いてきた子どもたちに悪いところなんて一つも無いのです。

そんな何の罪もない子どもたちの情緒の発達が3年遅れていてもおかしくはないのなら、今の子どもの年齢に当てはめて、”これぐらいは出来るはず”と決め付けるのは危険ではないでしょうか。

中学3年生なら小学6年生です。小学6年生なら小学3年生です。小学3年生なら年長さんです。園児なのです。

たった3年なのに出来ることがまるっきり違うことが分かると思います。

身体の成長に心の成長が追い付いていない状態で、本人も身体の年齢を基準にされて苦しいはずです。中身子どものままなのに大人のフリしないといけない大人と一緒です。つらい。

心の成長が追い付くまで、全ての基準を最低でも3歳下げてあげてください。本人がゆっくり成長していく様子を暖かい目で見守ってあげてください。

遅れてはいるかもしれませんが、これ以上成長しない訳ではありません。ゆっくりでもしっかりと成長はしていきますので、可能な限り本人とおしゃべりしてください。できる範囲で良いので、表情や身振りで大袈裟なほどに感情を表現してください。

本人と色んな感情を共有してください。楽しかったことや辛かったこと、悲しかったこと嬉しかったこと、色んなことを一緒に経験して本人の感情に言葉を付けてあげてください。説明してあげてください。

感情に言葉が付くことで頭の中のモヤモヤが晴れます。スッキリします。次からは自分の言葉で表現することも出来るようになるでしょう。

感情を説明する側は大変ですが、これの良いところは大人も一緒に情緒が育まれるところです。大人でも自分の気持ちは分からないことだらけですからね。子どもと一緒に考えることで大人も成長できて一石二鳥です。

今月末、子どもたちの情緒を育む一環としてイベントを予定しています。ぜひ参加して、お子さんの成長の一助としていただけたら幸いです。

そして、発達にでこぼこのある子を育てている親ならではのモヤモヤを晴らしたい時は私たちにご相談ください。モヤモヤを言語化するお手伝いが少しは出来るのではないかなと思います。