今回は、『「信用」と「信頼」 似ているけれど「使い分けるコツ」は何?』という記事をご紹介します。
一般的に大人というと「信用」出来る人であり、「信頼」出来る人であるという認識だと思います。
子育て中の保護者も我が子がそんな大人になってくれるよう、何かにつけてあれこれと話をしているのではないでしょうか。
ですが、そんな保護者自身が自分の保身のために嘘を吐いたり、我が子に限らず誰かを騙すようなことをしていれば、そんな保護者を毎日のように見ている子どもは、それが当たり前の世界だと思ってしまいます。
人間を含む哺乳類は身も心も未熟な状態で生まれるため、誰かからお世話され、自分では分からないことは誰かから教えられないと生きていけません。
何のストレスもない心の底から安心出来る環境で、生きていくために必要な知識・知恵を身に付け、社会の仕組みを学び、生活に関する技術を磨く。
何も知らない分からない子どもにとって、目の前に広がっている風景が、この世界の当たり前なのだと思い込んでしまうのも当然ではないでしょうか。
例えば、保護者が息を吸うように当たり前の顔で子どもに嘘を吐くような人だったとします。
保護者は冗談のつもりだったかもしれませんが、素直でまだ世間を知らない子どもに冗談が通用するはずもありません。冗談を面白いと思えるのは、それが冗談だと分かりきっている大人同士だからです。
しかも、嘘を吐いたのかと子どもが怒って見せても、こんな冗談も分からないのかと大人から笑われたりすると、嘘を見抜けなかった自分が悪いと子どもが思うのも当然ですよね。
素直な子どもが、それまで信頼しきっていた保護者から騙されていた。嘘を吐かれていたとなると、本人から見えている世界は一気に誰も信用できない暗黒の世界になります。誰の言葉も信用出来なくなります。
では、大人は冗談も言ってはいけないのか、あれこれ我慢しなければいけないのか、そんなの出来るはずがないだろうと思われるかもしれませんが、一つだけ子どもが生まれ持っている綺麗で美しい世界を守る方法があります。
保護者やその周辺の大人が子どもを見て笑うのは、子どものことが大好きで可愛いなと思っているからだと本人に教えてあげることです。
実際、子どもがコケたり失敗した時についつい笑ってしまう大人は多いと思いますが、それはバカにしたような笑いではないはずです。赤ちゃんやよちよち歩きの小さい子を見ると、抑えようとしてもついついニコニコしてしまうアレと一緒ですよね。
もちろん、バカにしたような笑いを向ける大人気ない大人もいると思いますが、そんな大人は大人になりきれていない子どものような大人であって、子どもが気に病むような存在ではありません。
周囲の大人が子どもに向かって笑うのは、自分のことを可愛いなと思ってくれているから。
保護者からそう教えられた子どもは、素直にそれを信じます。保護者から何度も繰り返しそれを伝えられることで、悪意のある人間からバカにしたような笑いを向けられたとしても、自分が可愛いからかと思い込みます。
実際に、赤ちゃんや園児を見るとニコニコする大人たちを何度も何人も繰り返し見ることで、保護者が言っていたことは本当なんだと信用するでしょう。
そんな信頼に足る保護者から愛されているという実感と自信があれば、自己肯定感が高くなるので、ちょっとやそっとの悪意では傷付きません。
恐らくですが、バカにしたような笑いを向ける人間も、本人が気付いていないだけで可愛いなぁ好きだなぁいいなぁ羨ましいなぁと思っているから見ているし笑っているのです。本人は絶対に認めないと思いますが。何が何でも認めないと思いますが。
自分の気持ちを素直に認めていない人間はやっかいの極みなので、意地悪してくるとか意地悪を言ってくるというような子も、本人のことが好きだから構って欲しくてやっていることなのではと教えてあげると本人も気にしなくなりますし、本人が素直にそれを相手の子に伝えたとしたら、相手は絶対に二度とやらなくなります。不憫。
自己肯定感とは、保護者や周囲の大人が本人に掛けてあげられるバリアのようなものです。自己暗示に近いので、保護者や周囲の大人からの言葉が重要になってきます。
大好きだよ。すごいね。えらいね。頑張ってるね。出来るようになってきたじゃん。え、うちの子可愛すぎる。
保護者や周囲の大人からのこれらの言葉は、子どもに日常的にバフ(某有名な土管のゲームでいう、大きくなったり回復するためのキノコみたいなものです)を掛けているようなもので、そのバフが多ければ多いほど、強ければ強いほど、子どもは強く逞しく成長していきます。
もちろん、なかなかそういう声掛けが出来ないという保護者もいると思います。
そんな方は、ついうっかりで良いのです。ポロッと、可愛いなとか凄いなと本心を零してあげてください。子どもから聞かれた時は、照れくさいだろうとは思いますが、しっかりと応えてあげてください。
子どもがそういうことを聞いてくるのには理由があります。恐らくですが、外の世界で辛い何かがあったのです。でも、保護者に心配させたくなくて言いたくないのです。自分が尊敬している保護者から愛されている、存在を認められているという自信を取り戻したいのです。
滅多に言わない褒め言葉でも、滅多に言わない愛の言葉でも、滅多に言わないからこその威力があります。子どもにとってはそれだけでも充分です。
子どもは強いです。保護者があれこれやってあげていないし出来ていないなと思うようなことでも、やれないならやれないなりに、出来ないのなら出来ないなりに、どれだけ小さくても出来ることをコツコツと続けるだけで大丈夫です。
保護者に反発しまくっている子どもだとしても、意外ときちんと保護者の事情だとかを理解してくれています。出来ない事情をしっかりと説明すれば理解してくれます。
反発しまくってるのは素直じゃないだけです。どう言えば良いか分からず、自分の気持ちを言葉で上手く伝えられないだけです。子どもはただただ保護者に無理をして欲しくなくて怒っているのです。
「自分でやるの!」と、魔の2歳児の頃のように頑張ってみるけれど、保護者のようには出来ない自分が不甲斐なくてイライラしているだけなのです。そのことに本人も気付いていないと思いますし、絶対に認めようともしないとは思いますが。
そう考えると、ムカつく反抗期もただただ可愛いになりますよね。
子どもになかなか良い声掛けが出来ないという方は私たちにご相談ください。私たちも似たようなことで悩んでいる仲間です。どんな声掛けが有効だったか情報交換しましょうね。