自分のことは自分で

今回は、『「甘やかす」と「甘えさせる」はまったく違う 子どもを厳しく躾けても自立心が養われない訳』という記事をご紹介します。

私たち現役の親世代は、そのまた上の親世代から厳しくしつけられて育てられてきました。

甘えるなんてことはあまり許されることはなく、それどころか冷たく突き放されることもしばしば。

そうやって育てられ、親元から離れても大丈夫という自立心が芽生えたかというと、あまりそうではないなと感じている方も多いのではないでしょうか。

周囲から急き立てられるように大人になることを求められ、甘えることは許されず、心の拠り所が無いまま世間の荒波にもまれながら今ここにいる。

そんな不安定な方が多いのではないかなと思います。

心の拠り所、つまり自分が自分らしくいても怒られない、否定されない、自分の意思を尊重される場所というのはとても大事で、でも、そんな場所を持っている人はそう多くありません。

ですが、保護者は子の親になった瞬間から、我が子がそれを与えてくれたはずです。保護者がどれだけ自分はダメな人間だと思っていても、どんなに出来ないことだらけの人間だったとしても、幼少期の我が子は保護者を無垢な心で慕ってくれていたはず。小さい手を一生懸命伸ばして抱き着いて来てくれたはずです。

そんな子どもの心の拠り所に保護者もなってあげてください。子どもから与えられたものを精一杯返してあげてください。

でも、保護者が心の拠り所になったら親元から離れられなくなるのでは、と思われるかもしれませんが、親元から離れられなくなってしまうのは子どもが親に依存している場合か、親が子どもに依存して手放さない場合、もしくはその両方です。

子どもが自分で出来ることすら親がやってくれる、全部親が決めてくれる、そんな親元は居心地が良いですからね。離れられなくなって当然ですし、自分でやらなければならないことをやってきていないのですから上手く出来る自信もないでしょうし、親元から離れることに強い不安すら感じるかもしれません。

親側はよかれと思ってやっていたことが子どもの自立を阻んでいる、なんてことにならないよう、一人暮らしを想定した上で自分のことは自分で出来る子に育てましょう。大丈夫。今からでも間に合います。

まず最初に、子どもには自分のことは自分で出来るようにならなくてはいけないということを伝えてください。

今は保護者が代わりにやっていることも、いずれは自分で出来るようにならなければならないことであり、出来ないのなら誰かにお願いして代わりにやってもらうか、お高めな機械などに頼るしかないことも伝えてください。

生活費などを稼ぐための経済的な面、炊事や洗濯、掃除などの生活的な面、それから親元から離れても大丈夫なように精神的な面での自立が必要であることを伝え、今後は少しずつ訓練していくことに本人の同意を得てください。

本人に無断で勝手に始めたら、保護者からいきなり突き放されたような気持ちになってしまいますからね。本人の同意は大事です。

次はさっそく実践ですが、ここで注意して欲しいのが、子どもに何でもかんでも最初から全部自分でやらせようとしないこと。

「出来る」は、他人の手を借りることなく最初から最後まで自分一人で出来て、かつ、それを日常的に行える状態の時に言える言葉です。

「ゴミ捨てが出来る」なら、ゴミ収集の日を把握していて分別もしっかりと出来、洗浄が必要なものは洗浄し、ひとまとめにするなどの作業も行え、決められた時間に決められた方法で決められたゴミを捨てることが出来る。それも毎日のように。が出来て初めて「ゴミ捨てが出来る」なのです。

大人でさえ出来ていない人がいるのです。子どもに最初から自分で全部やれなんて言っても難しい話ですし、ゴミ捨てにかかる作業を事細かく分けて、段階に応じて出来ることを少しずつ増やしていきましょう。

1.まとめられたゴミを決められた時間内にゴミ捨て場に持っていく。
2.ゴミ収集の日を自分で確認して、まとめられたゴミをゴミ捨て場に持っていく。
3.家中のゴミをゴミ箱から集めて分別する。ゴミ箱にゴミ袋を被せるのも忘れない。
4.汚れたゴミを洗浄する。
5.分別したゴミをひとまとめにする。

これらを自分で毎日のように出来るまで時間をかけて訓練していきます。

ゴミ捨て場に持っていくだけなら一番簡単な作業なので早めに習得出来ると思いますが、ここに「今日は何のゴミ収集の日なのかを自分で確認する」という作業が加わると一気に難しくなります。

人は誰かに指示されたことであれば何も考えずに済むので簡単に出来ることが多いですが、自分に対してであっても指示する側に回ると決め事が多くなるので、難しさ、というよりも面倒臭さを感じてしまうのです。

発達にでこぼこのある子を育てていると実感すると思いますが、この「面倒臭い」は本当にやっかいで、なかなか本人の中から消すことが出来ません。

本人も自分にメリットがあると分かっていても、「面倒臭い」の方が勝ってしまうのです。

そんな場合は、物事をさらに事細かく分類してください。楽に出来るよう簡単にしてください。

「今日は何のごみ収集の日なのかを自分で確認する」が難しく感じてしまうのなら、確認作業をパッと一目で分かるようにします。

この辺りは本人に合った対処方法を試行錯誤しながら見つけなければならない部分なので、一言こうすれば良いと言えないのですが、ゴミの収集日カレンダーを目立つ所に貼っておく、アプリを活用するなど、トライアンドエラーの精神で色々と試してみてください。

そして最後に、本人に任せたからには保護者はあまり口出しも手出しもしないようにします。出来なくても叱らず、カバーも本人にさせ、出来たら「出来たね」と褒めてあげてください。「いつもゴミ出しありがとう」と労ってあげてください。

毎日のようにあるゴミ出しは慣れるまでが一番大変ですから、失敗するのは当然の意識で、長い長い目で見守ってあげてください。数年単位で時間がかかると思ってください。

そして、本人が体力的、精神的に疲れていそうな時は代わってあげてください。「疲れてるようだから今日は代わりにやっておくよ」と、代わってあげる理由をしっかりと伝えることも忘れずに。

人はしんどい時に優しくされると泣きたくなるくらい嬉しいものです。

子育て中の保護者もいっぱいいっぱいでしんどいはずです。いくら心の拠り所といっても、さすがに良い大人が子どもに甘えるなんてことは出来ないですから、大人は自分で自分を甘やかしてあげましょう。

疲れている時は早めに寝て、明日に回せる家事を明日の自分に押し付けてしまうのも手です。たっぷり寝て回復した自分なら、しょうがないなぁと寛大な心で許してくれるはず。

もし、そんな余裕すらもないくらいしんどい時は私たちを頼ってください。遠慮なんか要りません。あなたからのSOSをお待ちしています。

モヤモヤを解消するために

今回は、『子どもの「国語力」を伸ばすために親が知っておきたいこと』という記事をご紹介します。

国語力を伸ばす方法と聞くと、国語の成績を上げる方法かと思われるかもしれませんが少し違います。

言葉の表現の幅や深さを広げるための語彙力、他者とのスムーズな意思疎通を図るためのコミュニケーション能力、他者や物事をよく観察し、その背景にある事情を思いやる能力、それらに共通する考える力などを総合したモノが国語力です。

日本では国の言語・国語として日本語を使うので日本語を使いこなす力とも言えます。

小学校低学年くらいまでは「良かった」「楽しかった」「嬉しかった」のような語彙力しかなかった子が、年齢を重ねるにつれて具体的に何を良いと思ったのか、何が楽しかったのか、どうして嬉しいと感じたのかを説明出来るようになるように、国語力を鍛えることで自分の気持ちを言葉にすることが出来るようになるのです。

発達にでこぼこのある子は自分の気持ちを言葉にするのが苦手です。自分の中にある感情が何なのか、それをどう説明すれば良いのか分からないからです。頭の中はモヤモヤでいっぱい。

観察することや考えることが得意な子だと、他者の言動を観察して推測し、遊んでいる時は楽しいという感情が湧き、笑顔で楽しいと表現するのが相応しいのだと学習していきますが、発達にでこぼこのある子は観察することがそもそも難しかったり、深く考えることが苦手だったりします。

そこで重要になってくるのが、保護者との日常です。

毎日の生活で保護者が喜怒哀楽様々な感情を表に出す。そして、それらを一つ一つ丁寧に説明する。それだけで良いのです。

それだけで良いとか簡単に言ってますが、保護者側はめちゃくちゃしゃべることになります。喉が痛くなるくらいしゃべります。つまりは、しゃべるのが苦手な人にとっては苦行です。

しゃべるのが苦手な人であれば、表情や身振りで大袈裟なほどに表現するという方法もありますが、それも苦手だという場合は、アニメや絵本、テレビの幼児番組を頼ってください。目を惹くキャラクターが大袈裟なほどの声や表情で様々な感情を表現してくれています。

コロナ禍でマスク生活を余儀なくされ、子どもたちの発達に影響が出ているとされているのがこの情緒的な部分です。顔の大部分が隠されたことで、他者の感情を読み取る力を育めなかった子が多いと言われています。

そう考えると、発達にでこぼこがある子が増えているのはコロナ禍の影響もあるのかもしれません。

丸3年です。丸3年もの間、発達段階の子どもたちはマスクするのが当たり前の世界で生きてきました。そうせざるを得なかった、命を守るためには仕方がなかったことではありますが、大人たちの言うことを聞いてきた子どもたちに悪いところなんて一つも無いのです。

そんな何の罪もない子どもたちの情緒の発達が3年遅れていてもおかしくはないのなら、今の子どもの年齢に当てはめて、”これぐらいは出来るはず”と決め付けるのは危険ではないでしょうか。

中学3年生なら小学6年生です。小学6年生なら小学3年生です。小学3年生なら年長さんです。園児なのです。

たった3年なのに出来ることがまるっきり違うことが分かると思います。

身体の成長に心の成長が追い付いていない状態で、本人も身体の年齢を基準にされて苦しいはずです。中身子どものままなのに大人のフリしないといけない大人と一緒です。つらい。

心の成長が追い付くまで、全ての基準を最低でも3歳下げてあげてください。本人がゆっくり成長していく様子を暖かい目で見守ってあげてください。

遅れてはいるかもしれませんが、これ以上成長しない訳ではありません。ゆっくりでもしっかりと成長はしていきますので、可能な限り本人とおしゃべりしてください。できる範囲で良いので、表情や身振りで大袈裟なほどに感情を表現してください。

本人と色んな感情を共有してください。楽しかったことや辛かったこと、悲しかったこと嬉しかったこと、色んなことを一緒に経験して本人の感情に言葉を付けてあげてください。説明してあげてください。

感情に言葉が付くことで頭の中のモヤモヤが晴れます。スッキリします。次からは自分の言葉で表現することも出来るようになるでしょう。

感情を説明する側は大変ですが、これの良いところは大人も一緒に情緒が育まれるところです。大人でも自分の気持ちは分からないことだらけですからね。子どもと一緒に考えることで大人も成長できて一石二鳥です。

今月末、子どもたちの情緒を育む一環としてイベントを予定しています。ぜひ参加して、お子さんの成長の一助としていただけたら幸いです。

そして、発達にでこぼこのある子を育てている親ならではのモヤモヤを晴らしたい時は私たちにご相談ください。モヤモヤを言語化するお手伝いが少しは出来るのではないかなと思います。

出来ることを見つけよう

今回は、『音に敏感で不登校になった男の子 「自分にできることはないか」自信をくれたケーキ作り』、『「何もない」がコンプレックスだった自尊心を、自分の文章が満たす』、『「周りができるのに自分だけできない」学習障害と不登校で絶望の淵に「自信を取り戻してくれたのはミシンだった」』という記事をご紹介します。

これらの記事に共通しているのは、周囲と比べると出来ないことだらけで自信を失くしていた人が自信を取り戻したというもの。

そして、自信を取り戻せたのは自分の好きなことや得意なことを突き詰めたからという点です。

ケーキ作りや作文、ミシンは小中の義務教育では少ししか学ばない教科です。

ですが、ケーキ屋さんは全国どこにでも必ずありますし、記事を書く職業の人も大勢います。ミシンで作業をする人がいなければ、素敵なお洋服は作られないでしょう。

義務教育では少ししか学ばない教科でも、それを職業にしている人はこの世の中に大勢いるのです。

学校でたくさん学ぶことになる5教科は知識・教養として身に付けておいた方が良いものではありますが、それが直接仕事で役に立つかと問われると、そうでもないという場合もたくさんあります。

町のケーキ屋さんなら美味しいケーキが作れれば良いのです。記者なら有意義な記事が書ければ良いのです。裁縫業ならミシンで作業出来れば良いのです。

もちろん、義務教育レベル以上の知識・教養はあった方が良いでしょうが、それらは主な仕事に必須ではありません。どちらかというと、主な仕事に付いてくる事務手続きや仕入れ・販売などで必要なのです。つまりは別の仕事です。

別の仕事なのであれば、それらが得意な人に任せてしまえば良いのです。苦手なことはしなくて済むところへ行けば良いのです。

やりたいこと、出来ることが思う存分出来る場所へ行きましょう。やりたくないこと、出来ないことを強要してくる場所からはさっさと逃げましょう。

不思議なもので、本人にとって幸せな環境で過ごしていると、出来ることがどんどん増えていったりします。苦手なことも少しなら出来るようになったりします。

逆に言えば、本人にとって苦しい環境にいると、出来ていたこともどんどん出来なくなってしまうのです。

まずは、本人にとって苦しい環境を幸せな環境に変えましょう。そこから、本人が何がしたいのか、何が出来るのかをじっくり考えてください。

本人が何をしたいのか良く分からない時は、本人が人から褒められたことや感謝されたことを思い出してください。それこそが本人の得意なことや出来ることですから、したいことが見つかるまでまずはそちら方面を目指すと良いのではないでしょうか。

目指す場所が見つかった後、そこから仕事、つまりは進路に繋げるには保護者の知恵や知識が必要になってきます。

今はネットで情報収集出来ますから、本人のためにたくさん情報収集してください。選択肢を提示してください。

そして、どの進路にするかは本人に選ばせてください。決して親が勝手に決めたりしないでください。

もちろん、金銭的な問題もあるでしょうし、家から遠いなど地理的な問題もあると思います。学力的な問題もあるでしょうし、進学先で想定される問題もあるでしょう。

それらも全部包み隠さず説明した上で、進学先は本人に決めてもらい、本人が決めたことであれば後は応援してあげてください。

自分で決めたことなら、保護者が思っていた以上にあっさりと問題を乗り越えられたりします。あれこれと出来るようになったりします。

やりたいことや出来ることに向かって進んでいるのならなおのこと、保護者の想像の何倍もの速度で成長することもあるでしょう。

本人の進む道を応援してあげてください。楽しく学校生活を送れるようサポートしてあげてください。

たった一度きりの人生です。本人が自分の人生を楽しめるよう出来るだけのことをしてあげてくださいね。

そして、保護者にとってもたった一度きりの人生です。本人のために一生懸命なのも良いですが、自分も人生を楽しめるよう疲れた時はしっかりと休んで推し活など楽しいことをしましょうね。

もし、仕事や進路で悩んだ時は私たちにご相談ください。選択肢の一つくらいは提示出来るのではないかなと思います。

言葉にしよう態度に出そう

今回は、『【完璧主義、自己批判しがちな人に】肯定する力「自己受容」を高める方法を精神科医が解説』という記事をご紹介します。

発達にでこぼこがある子は出来ないことが多く、自己肯定感が低くなりがちです。

あれも出来ない、これも出来ないと出来ないことにばかり目が向いて、自分の出来ている所や良い所には気付かないこともしばしば。

周囲も本人の出来ないことばかりを口にするので、ただでさえ低い本人の自己肯定感を高めるのは困難を極めます。

ですが、たった一人。たった一人でも本人を心の底から大切にしている存在がいれば、本人の自己肯定感は一定以上に保たれるのです。下がり続けるなんてことにはなりません。

ただ、心の中でどれだけ本人を大切に思っていたとしても、本人にそれが伝わっていないことがあるので注意が必要です。

例えば、普段から言葉では大切な存在だと本人に言っていたとしても、体罰していたり興味関心を向けていなかったり否定してばかりであれば、本人にとって言葉は上辺だけのモノに成り下がってしまいます。

そんな相手からの言葉は全く信用できませんし、大切に思っているなんて少しも伝わりません。むしろ言葉が尽くされれば尽くされるほど反発しますし、より信用がなくなってしまうでしょう。

また、態度では大切にしていたとしても言葉では大切だと言っていない場合でも、本人が不安になってしまうことがあります。

大切にされているとは思うけれど、面と向かってハッキリとそう言われたわけではないし、自分の勘違いかもしれない。

不安感というモノはやっかいで、一度そう思い始めたら全てのモノやコトをネガティブに捉えてしまうようになるのです。

そうなる前に、本人に言葉でも伝えてあげてください。

恥ずかしいとか、言わなくても分かるだろとか、そういうのは脇に置いておいて、勘違いしようがないほどの直球ストレートな言葉で、直球ストレートな保護者の気持ちを本人に伝えてあげてください。

ほんの数回であっても、直球ストレートな気持ちを直球ストレートな言葉で伝えれば、本人の中で”大切にされているような気がする”から”大切にされている”という確信に変わります。

そうなると、普段の態度だけでも”大切にされている”と本人にビシバシ伝わるようになるので、本人の自己肯定感も一定以上は下がらなくなるというわけです。

もちろん、本人と保護者は別個の人間ですから、本人が求めている言葉や態度と食い違うことも充分あると思います。

その事も本人に伝えておいてください。

明後日なことを言ったり態度を取る事もあるかもしれないけれど、あなたのことを大切に思っている事だけは忘れないでと。

そして、明後日なことを言ったり態度を取ったりした時は教えて欲しいとも伝えてください。

何が嬉しくて何が嫌なのか、保護者であっても本人の気持ちは全部は分かりません。勘違いやすれ違いを避けるためにも本人に教えてもらうのが一番です。

その本人の気持ちもその時の気分次第で変わる事も多く、振り回される周囲は大変だと思いますが、本人とのコミュニケーションだけは疎かにしないでください。細々とでも続けてください。

本人との間に実績を伴って築かれた信頼は、ちょっとやそっとでは揺らがない絆となります。その揺るがない絆こそが、発達にでこぼこのある子にとっての命綱となり得るのです。

丁寧に丁寧に信頼関係を築いてください。崩れそうになっても諦めずに根気強く信頼関係を築き直してください。

最初はティッシュで作ったこよりのように頼りない絆でも、長い時間をかけて辛抱強く信頼関係を築いていけば、太くて丈夫な命綱になります。

あ、本人を大切にするあまり自分を疎かにしたりしないでくださいね。

自分を大切に出来なければ、家族とはいえ他人を大切になんて出来ません。まずは自分を大切にしましょう。甘やかしましょう。

そして、しんどいのに誰も助けてくれない時は私たちを頼ってください。細くて頼りないかもしれませんが、あなたの命綱の一本になれるのなら、私たちはいつでも相談に乗ります。

困りごとは小さいうちに

今回は、『発達障害の増加で「児童精神科の待機問題」が深刻 通常学級の11人に1人、特別支援学級の子も倍増』という記事をご紹介します。

メディアなどで発達障がいが取り上げられるようになり、世間での認知度が上がるにつれて「うちの子もそうなのでは?」と思い始めた保護者も多いのではないかと思います。

何となく育て辛さを感じていた。ちょっとしたことで泣き喚くので困っている。色々とミスが多く、そのフォローで時間が取られてしまう。学校の勉強について行けていない。しょっちゅうモノを失くしたり壊したりする。

こういうことがありながらも、でも少しだけだし、”普通”の子とそれほど変わらないし、と何も行動しないのは自分の首をじわじわと絞めているだけかもしれません。

何事もそうですが、問題が発生してから対処するのと、問題が発生しないように対処するのとでは、困難さが段違いだからです。

では、子どものちょっとした違和感についてはどう対処すれば良いのでしょう。

答えは簡単です。発達にでこぼこがあろうがなかろうが、ペアレント・トレーニングをしてしまえば良いのです。

ちょっとしたことで泣き喚く時は、基本的に放っておきましょう。

泣き喚けば自分の思い通りになる、親が構ってくれると学習すると、大声で喚き散らして自分の思い通りにしようとする迷惑な大人になってしまいます。泣き止んだら泣き止めたねと褒めてあげることで、泣くよりも泣かない方が話を聞いてもらえる構ってもらえると学習し、泣き喚くこと自体が減っていきます。

色々とミスをするのなら、そのフォローが自分で出来るように指導してください。

最初のうちは難しいでしょうが、毎回同じ手順を繰り返しロボットのように伝えていると、そのうち伝えなくても自分から手順を踏んで作業が出来るようになってきます。フォローしなくても良くなります。

それに、本人が自分でフォローするようになると、フォローが面倒なのかミスの数も自然と減っていきます。

学校の勉強について行けていない時は、何が原因で躓いているのかの見極めをしてください。

前の学年での理解が足りていなかったという場合は、前の学年のやり直しをすればついて行けるようになりますが、読み辛い、書き辛い、計算が苦手などが原因の場合は、保護者だけでは対処が難しくなります。

そんな時は専門家を早めに頼ってください。自分ではどうしようもないことで悩んでいるより、専門家の知識と技術に頼った方が自分のためにも本人のためにも良いです。

しょっちゅうモノを失くしたり壊したりする場合は、しょっちゅう失くしたり壊されても良い安モノを買い与えつつ、失くさないようにするにはどうすれば良いか本人と一緒に考えてください。

例えば傘。

朝は雨が降っていたけど帰る時にはやんでいたという場合、傘を持ち帰るのを忘れがちです。

傘の存在を忘れなければ良いのですから、好きなキャラクターの絵が描かれた傘だとか、好きなキャラクターのマスコットを付けるとかした上で、雨の日に傘を持ち出す時に必ず一言「傘も一緒に連れて帰ってあげてね」と声を掛けてください。

ここで大事なのは、「傘を忘れないようにね」ではないことです。

傘を単なる無機物ではなく、自分と一緒に連れて帰るべきモノという認識が少しでも付けば、愛着が湧いて大事にするようにもなります。壊さなくなります。

このようなペアレント・トレーニングをしていてもなかなか改善がされず、本人や保護者の心身の状態がじわじわと悪化してきたという場合は、専門家に早めに診てもらうことが保護者がすべき行動です。

一人の力には限界があります。ですが、助けてくれる人は必ずいます。

必ずいますが、声をあげてくれなければ気付けないのです。分からないのです。

こんなことぐらいでと思わず、困っていることがあるのなら私たちでも良いのでご相談ください。

幸い、誰でも気軽に参加出来るイベントが近々開催されます。

まずはこのイベントに参加してみて、それからちょっとだけ勇気を出して「相談があるんですが」と声を掛けてみてください。私たちはあなたからのご相談をお待ちしています。

ご褒美は積極的に

今回は、『頑張った自分への「ご褒美」脳にもプラスに働く訳 「報酬系」という脳の神経ネットワークが活性』という記事をご紹介します。

発達にでこぼこがある子は、周囲から「やる気がない」「すぐ面倒臭がる」「怠けている」と思われがちです。

ですがそれは、”普通”の人なら簡単にこなせることでも大変な場合が多く、得られる結果が”普通”の人と同じだったとしても、本人にとって割に合わないと感じてしまうからです。

人間は、掛けた労力に対して結果が良くないと、余程のことが無い限り次もやろうとは思いません。やるだけ無駄だと思ってしまいます。

例えば、多くの人が挫折しがちなダイエット。

体重を減らしたいという気持ちだけで始めると、キツイ筋トレや厳しい食事制限を頑張ったのに体重が少ししか減らなかったという結果が出た瞬間、やる気が一気にしぼんでしまいます。

掛けた労力に対して得られた結果が小さ過ぎたためです。

こんなに頑張ったんだから結構減っただろうとワクワクしながら体重計に乗ったのに、それほど変わらなかったとなればガッカリしてしまいますよね。

発達にでこぼこのある子は、このガッガリを結構な頻度で味わっています。

周囲の子たちと同じ結果を得るためにクタクタになるまで頑張ったのに、結果は同じどころかそれよりも悪かったりするのです。やる気を無くして当然ですよね。

では、出来ることだけをやっていれば良いかというと、長い人生の中でそういうわけにもいかない場面も出て来るはずです。

やりたくないけどやらなきゃいけない、そんな場面が出て来た時にもしっかりとやれるよう、小さい子どものうちから訓練をしていきましょう。

まず最初に、「やる気がない」「すぐ面倒臭がる」「怠けている」ように見える本人に、掛けた労力に対して得られる結果が小さ過ぎてやる気が出なくなるのだと教えてあげて下さい。

そして、そんな現状を変えるために、自分が大変だな、面倒だなと感じているモノ全てにご褒美システムを設置するよう促してください。

朝起きる、歯磨きをする、学校へ行く、宿題をやる、お風呂に入るなど全てのモノです。

お菓子などのお金が掛かるご褒美は絶対に続かないので、それは特別疲れる日や特別疲れるような出来事に対してのご褒美として取っておき、普段はお金が掛からないご褒美にします。

保護者からの褒め言葉やシール、動画を見る時間など、毎日あげても大丈夫なご褒美を本人と一緒に設定して、出来たことに対してご褒美を与えます。

お財布と相談しながら、1週間ごとに保護者からのご褒美をサプライズであげたり、1ヶ月ごとに本人が好きな外食に連れて行くなどのご褒美も設定しましょう。

もうお分かりだろうと思いますが、褒め言葉を与えることになる保護者は最初は大変です。大変ですが、これがずっと続くわけではありません。

大きくなるにつれて、朝起きただけでえらいねと褒められることを喜ばなくなるでしょうし、お風呂に入っただけで褒められるのを恥ずかしいから止めろと言われるようにもなるでしょう。

早ければ数日、長くても数年です。たった数年続けられれば、毎日褒めなくても大丈夫になります。というか、褒められるのを嫌がるようになります。もう子どもじゃないんだからと。

保護者としては少し淋しい瞬間ですが、成長の証でもあります。褒めなくても良くなったのは喜ばしいことですが、かと言って、もう褒めなくても良いかというとそうでもありません。

本人がストレスを抱えている時や疲れている時などは、朝起きるのもお風呂に入るのも大変になるからです。

そんな時は是非とも褒めてあげてください。子ども扱いしてあげてください。

子ども扱いするなと嫌がりながらも、満更でも無さそうな顔が見られるのではないでしょうか。

そして、大変なのは大人も一緒です。子どもと違って褒めてくれる人がいないのなら、自分で自分を褒めましょう。

毎日朝起きててえらい。ご飯作っててえらい。子どもの面倒見ててえらい。

ちょっと大変だなと思うことをやった時、しっかりと自分に対してえらいえらいとヨシヨシしてあげてください。褒めてあげてください。

そして、本人にあげるサプライズなご褒美や月に一度の外食というご褒美を自分も一緒に味わってしまいましょう。自分にもご褒美をあげましょう。

間違っても、あれも出来てないこれも出来てないと自分を責めちゃダメです。

そうやって得られるモノは、タスクをいっぱい抱え込んでイライラする自分と、そんな自分に対する自己嫌悪と、イライラしている自分に影響を受けて不安定さが増す本人です。メリットは一つもない負のループ入りです。

そんな負のループに入りそうな時は私たちにご相談ください。溜まっている愚痴を吐き出してスッキリして、良いループに入れるようにしましょうね。

感受性をコントロールしよう

今回は、『「普通」を求める学校、部屋にこもった日々 演出家・宮本亞門さんからあなたへ』という記事をご紹介します。

小学校・中学校という義務教育の期間中、学校生活が息苦しくなってしまう子は発達にでこぼこがある・なしに関わらず多いと思います。

息苦しさを感じてしまう理由は、感受性が豊かで繊細な子だから。

他人と自分との違いに気付きやすかったり、他人の感情に影響を受けやすかったり、周囲が求める”普通”になろうと一生懸命だったりするのは、その子が持つ強みでもありますが、周囲に振り回されてしまうので疲れやすくもあります。

それなら周囲に振り回されないようにすれば良いのでは、と思われるかもしれませんが、そう簡単な話でもありません。

感受性を自分である程度コントロール出来るようになるには、たくさんの経験を積まなければならないからです。結構な時間がかかります。

子どものうちは全力で受け止めてしまうので、周囲に振り回されまくって感情のジェットコースターを味わい、ぐったりするまで疲れるか、もうイヤだと癇癪(かんしゃく)を起こしてしまったりもします。

自分が感受性が豊かなことに気付いていなかったりするので、元気で楽しそうに毎日を過ごしている同級生たちを見て、自分との違いに落ち込んだりもするでしょう。

人が多ければ多いほど色んなものを感じてしまうので、感受性の豊かな子にとって学校という場所は鬼門とも言えます。

では、感受性が豊かな子は学校へ通えなくなっても仕方ないのかというと、そうではありません。

感受性が豊かな子でも通えるよう、本人側と学校側がお互いに歩み寄る必要があります。

まず、感受性が豊かな本人側は、自分が感受性が豊かなのだという自覚を持つことから始めましょう。

学校が息苦しく感じるのもそのせいで、他の子たちが元気で楽しそうに学校生活を送っているのもそのせいで、自分がそういう気質なのは自分に悪いところや劣っているところがあるからではないという自覚を持たせてください。

そして、本来なら自分や他人の周囲には薄い見えない壁があり、他人の感情はその見えない壁で防がれて自分には少ししか届かないはずが、今の自分の状態はむき出しに近く、だから他人の感情に影響を受けやすいのだと説明してあげてください。

そうなると、じゃあ壁を作って防ごうという話になると思いますが、ここで大事なポイントが一つ。

自分の周囲に見えない壁を作る時は”薄く”作ることを心掛けさせてください。他人の感情だけが自分の中に勝手に入って来ないようにするイメージです。

感受性の豊かな子は、他人に傷付けられた経験から自分の周囲に高く分厚い壁を何重にも作りがちです。

誰も信用しません、近付けさせませんとアピールしているようなものなので、お友だちになりたいなと思ってくれた子も近付けなくなってしまいます。

人付き合いが面倒でお友だちは必要ないという子なら良いのですが、お友だちが欲しい子なら自分の周囲に作る壁は”薄く”した方が良いでしょう。

そうやって本人が”薄い”壁を試行錯誤しながら作る間、周囲は本人が学校へ行くというか外に出るだけで相当疲れるということを理解してあげてください。労ってあげてください。

そして、学校側には本人が感受性豊かな子であること、そのせいで傷付きやすく、疲れやすい子であることを伝えてください。

そうすれば、担任の先生も多少なりとも配慮してくれるでしょうし、配慮してもらえなかったとしても、発熱などの体調不良以外で学校をお休みする本人の心理的な負担が減ります。

先生側に”疲れやすい”という理由が伝わっているからです。

何の理由もなく学校へ行かないという選択をするのは、子どもにとって大きな負担です。子どもは学校は行かなければならないもの、行かなければダメな子扱いされるものだと思い込んでいます。

学校をお休みするために本当は痛くないのに頭が痛いとかお腹が痛いと嘘を吐くと、嘘を吐く自分に嫌悪感を抱いて自己肯定感が下がってしまったりするので、”すごく疲れてしまっているから”という理由で学校をお休みできるのは本人にとって心強いのではないでしょうか。

夏休みが終わって学校が始まったばかりの今、子どもたちは誰しも疲れが見え始める時期です。

「学校に行きたくない」という言葉が子どもから出て来る前に、久々の学校で疲れちゃうよねと本人を労ってあげてくださいね。それだけで救われる子もきっといます。

そして、夏休みを乗り越えた保護者の皆さまもお疲れのはず。本人と一緒に自分も労ってあげてくださいね。

息抜きをしたい時は私たちにご相談ください。夏休みを乗り越えた同志の私たちがお待ちしております。

おうちキャンプのススメ

今回は、『親の独りよがりにご用心! 怪我のリスクもあるけれど子どもにやらせることが大切な実りある「キャンプ」の楽しみ方とは』という記事をご紹介します。

災害大国日本において、いつどこで災害に見舞われるか分かりません。

今起こっていないことを過剰に心配するのはよろしくないことですが、備えあれば憂なし。災害が起こった時も慌てずに済むよう、必要な備えはしておくに限ります。

そうは言っても何をどう備えれば良いのか分からない、という方は多いのではないでしょうか。

実際に災害に遭ってみないと分からない部分は多いと思いますが、とりあえず、家に住めなくなった場合を想定してキャンプしてみることをオススメします。

と言っても、上記記事にあるような本格キャンプではありません。おうちキャンプです。

発達にでこぼこのある子は変化が苦手です。

いきなり本格的なキャンプに連れて行かれたら、キャンプを楽しむどころかトラウマになって二度と行かないと言い出しかねません。

そうなると本末転倒です。キャンプで災害時にも混乱せず日常的な生活が出来るよう準備しておきたいのに、そのキャンプに苦手意識が生まれてしまったら災害時も大変なことになるのが目に見えています。

それを避けるためにも、まずは、おうちの中でキャンプの雰囲気を楽しむところから始めます。

保護者が時間を取れる日を選んで、前日辺りに「明日はおうちキャンプをします」と本人に事前通告もしましょう。

普段は使っていない部屋などがあれば、そこにキャンプ用のテントを張っても良いですし、キャンプ用品は何もなくても、大きめの布やシーツをピンと張ったロープに掛けてサンシェードのように広げるだけでも秘密基地のようになります。

あとは、ピクニックっぽいお弁当(簡単なおにぎりや買ってきたサンドイッチでOK)を準備して、のんびりとおうちキャンプを楽しんでください。

この時、おうちキャンプの間はスマホやゲームは使えないというルールも設けると、災害時にスマホやゲームが出来なくなってもあまり混乱せずに済むのではないでしょうか。

スマホやゲームが出来なくても楽しめるよう、トランプやジェンガなどを用意して家族全員で遊びます。

お昼を挟んだ短時間であれば、スマホやゲームが出来なくても、ちょっといつもと違う雰囲気で家族みんなで楽しく遊んだという記憶だけが残るでしょう。

まだまだ遊び足りない! というなら、お風呂場に移動してシャボン玉や水鉄砲などで遊ぶのも良しです。

おうちキャンプ楽しかった、という印象だけを残して短時間でスパッと終わりにして、「またやりたい!」が本人の口から出てきたら大成功です。

他にも、くるまキャンプ、おうちのお庭キャンプ、じいじばあばの家キャンプ、グランピング、本格キャンプと、本人がどこまで出来そうか様子を見ながらキャンプの経験を少しずつ積み重ねていきます。

その中で、火や刃物などの取り扱い、水を節約しながら洗い物をする方法など、覚えておいた方が良いことを一つずつ丁寧に教えていってください。

もちろん、全力で楽しむことも忘れずに。どちらかというと保護者はホストで、ゲストである本人を楽しませることが任務ですが、ホストは楽しんではダメというわけではありませんからね。

本人と一緒に思い出作りも兼ねて色々と試して楽しんでください。保護者と一緒に積み上げたその経験は、決して無駄にはなりません。

それに、もしかすると、キャンプ中に本人の好奇心をくすぐる何かが見つかるかもしれませんしね。

グループキャンプを経験してみたいという時は私たちにご相談ください。発達にでこぼこのある子を対象としたキャンプをご紹介できると思います。

挨拶はコミュニケーションの基本

今回は、『目を見てあいさつしない』という記事をご紹介します。

みなさんは、「なぜ挨拶をしなければいけないのか」考えたことがありますか?

親から「挨拶しろ」と言われて育ってきたから、学校では挨拶をしなければ先生から怒られたから、みんなやってるから挨拶しているけれど、どうして挨拶をしなければならないのかと聞かれて答えられる人はそう多くないと思います。

この”普通”の人たちが”何となく”やっている挨拶。

発達にでこぼこのある子は、このハッキリとした理由もなく”何となく”やさられるコトが嫌いでやりたくないという子が結構います。

挨拶が出来ない、というのは若い子たちも良く言われてしまうことですが、なぜ挨拶が出来ないだけでこんなにも印象悪く言われてしまうのか。

それは、人間が挨拶の有無で自分に好意的かそうでないかを判断しているからだと言われています。

挨拶されたくらいで好意的なんて思うわけないじゃん、と思いますよね。

では、こちらから挨拶した相手が挨拶を返さないどころか会釈などのリアクションすら返さなかった時、あなたはその相手に対してどう感じるでしょう。

色々と思うところはあると思いますが、とりあえず、”相手はこちらに対して好意的ではない”という判断をするのではないでしょうか。それどころか、感じ悪い人だなという悪印象まで抱くかもしれません。

相手がこちらに対して好意的ではないならば、こちらも相手に対して好意的な態度を取る必要も義務も責任もありません。余程のお人好しでなければ、好意的ではない態度を取る相手に好意的な態度を取り続ける人はそういないでしょう。

挨拶しなかっただけなのにデメリットが大きいと思いませんか。そんなつもりは全くないのに、いつの間にかうっすらと敵が出来上がっています。

このように、”普通”の人が“何となく”やっている挨拶はコミュニケーションの基本中の基本であり、出来ないとデメリットが大き過ぎるのです。

では、挨拶が出来るようになるためにはどうすれば良いのでしょう。

挨拶は、必ず相手の目を見て「おはようございます」と言わなければならないものではありません。会釈だけでも全然良いのです。

相手の挨拶に対して丁寧に会釈するだけでも印象は全然違います。

相手の人や場所に慣れておらず、声を出すのは抵抗があるというのであれば、最初は会釈から始めれば良いのではないでしょうか。

丁寧な会釈で返していれば、声に出して挨拶を返していなくても、とりあえず相手は敵にはならないでしょう。感じ悪いとは思われないはず。

相手の人や場所に慣れていけば、そのうち声も出せるようになるかもしれません。いつもは会釈だけだった子が、小さいけれど挨拶を返してくれたとなれば、相手の印象は爆上がりです。笑顔であればさらに爆上がりするでしょう。

そうなるために保護者が出来ることは、初めましての人に会った時や初めましての場所に行った時は、最初は会釈でも良いからしっかりと挨拶することを本人に教え込ませることと、本人が人見知りすること、慣れるまでは声が出せないかもしれないことを周囲に伝えておくことです。

最も避けたいのは、無理矢理挨拶させたり声に出して挨拶しないことを叱ることで、本人が挨拶に対して萎縮したり負担だと思ってしまうこと。

無理矢理挨拶させるのは本人にとっても宜しくありませんし、無理矢理挨拶された側もあまり良い気分ではありませんからね。

本人が自分の意思で挨拶した方が良いなと思えるよう、挨拶をしなかった場合のデメリットと挨拶をした場合のメリットをしっかりと伝えてください。

そして、会釈だけでも挨拶が出来た時は、出来るだけその場でコソッと「挨拶出来たね」と褒めてあげてくださいね。

挨拶の練習がしたい時は私たちにご相談ください。挨拶出来なくても大丈夫だよーな私たちが練習台としてお待ちしております。