今回は、「大人の発達障害「グレーゾーン」が増加 症状は軽くないのに“保険診療”されず…「二次障害」の高いリスクも」という記事をご紹介します。
ここ数年、「大人の発達障がい」という言葉を聞く機会が増えて来ました。
「大人の発達障がい」というと、大人になってから発達障がいの特性が出て来たのだと思われがちですが、大人になる前から特性を抱えていたけれど目立っていなかったという人が殆どです。
学生の頃は気心の知れた友人たちだけで過ごしていても問題はありませんでしたが、社会人になると全体でのチームワークが重視され、多かれ少なかれコミュニケーション能力が問われます。
遅刻やミスが多い。対人関係を上手く築けない。トラブルを引き起こしがち。
発達にでこぼこのある子が抱えがちな困りごとですが、これらを解消するために幼少期から対処方法を探してあれこれとトレーニングしている子は大人になってもそれほど無理をしません。
自分が何が得意で何が苦手なのか、それぞれの能力値を知っているからです。
自分の能力値を知らないまま大人になってしまうと、自分が何が得意で何が苦手なのかも分からないまま社会の荒波に揉まれ、そして、苦手なものを一生懸命頑張ってこなそうとして心身共に疲れ切ってしまいます。
そうなると、結果として、うつや適応障がいなどの二次障がいを発症してしまうというわけです。
大人の発達障がいが二次障がいのリスクが高いのは、自分の能力値を知らないまま社会に出てしまったから。
そうならないためには、自分の能力値を知らなければなりません。
能力値とは、学力も含みますが、それだけではありません。
生活力やストレス耐性、先祖代々遺伝していそうな身体的特徴や思考の癖など、自分の心身のステータス値のようなもののことを指します。
ゲームが好きな子であれば、ゲームのキャラクターが持っているスキルのようなものだと言えば分かりやすいでしょうか。
キャラクターごとに強化しやすいスキルもあれば、あまり強化出来ないスキルもあったりしますが、人間もその辺りは同じで、トレーニング次第で伸びていく能力もあれば、あまり伸びない能力もあります。
ただ、あまり伸びない能力があったとしても、現代社会ではスマホやパソコンなどの便利なツールでカバー出来たりするので、能力値にでこぼこがあったとしても、自分に合った対処方法を知ることで問題にならないレベルまで引き上げられるようになったりもします。
どうしても強化出来ない能力があったとしても、他の能力値が高いのであれば、そちらを活かした仕事を選べば社会生活にも問題はそれほど起こりません。
あまり強化出来ない能力値を頑張って伸ばそうとするのではなく、強化しやすい能力値を伸ばして活かせる場所を見つけることが大事なのです。
「身の程を知る」ということわざがあります。
“高望みをするな”、”わきまえろ”というどちらかというとあまり良くない意味で使われがちな言葉ですが、全ての能力値が高い人なんてごくごく一部です。
ほとんどの人が、一部の能力値だけ高いとか全体的にパッとしないとか、能力値の存在すら気にも留めていなかったりするのだろうと思います。
自分の能力値の低い部分なんてモノは、あまり見つめたくないですからね。隠しておきたい、目を逸らしたい気持ち分かります。
そんな、ほとんどの人が避ける「身の程を知る」。
発達にでこぼこのある子からではなく、まずは自分からやってみてください。
何が得意で何が苦手なのか自分のことですら説明が出来ないのであれば、発達にでこぼこのある子の得意・苦手を見つけるのは難しいですからね。
ですから、自分の能力値や得意・苦手を見極めるところから始めてください。
苦手なところばかり目につくかもしれませんが、得意というか出来ているところもちゃんと見つけてくださいね。
改めて見ると、自分も結構でこぼこしてませんか。ちょっとびっくりするくらい。
自分にもでこぼこがあるなと気付けたなら、大事なのは、あまり無理をせず自分に合った場所に収まること、心身共に健康に過ごせる場所を見つけることだと分かるかと思います。
発達にでこぼこのある子も同じです。
苦手な能力値も無理して”普通”レベルまで上げようとするのではなく、あまり無理せず自分にあった場所に収まること、心身共に健康に過ごせる場所を見つけることが本人の幸せに繋がるのではないでしょうか。
そのためには、本人の得意とする部分を見つけてください。好きなことを伸ばしてください。
時間はかかるかもしれませんが、好きなこと、得意なことを伸ばしていく中で、伸ばした能力値を活かせる場がきっと見つかるはずです。
それと同時に苦手な能力値を”楽に”カバーする方法も探してあげてくださいね。
それほど努力しなくても出来るということが重要です。無理したら心身の健康が保てませんからね。無理ダメ絶対。
サポートする側も無理は絶対にダメです。続かなくなってしまいますし、サポートする側が心身共に疲れ果ててしまったら本人を守れなくなってしまいます。
あまり無理せず、自分に出来る範囲内で出来ることを一つずつこなしていくだけで十分ですが、疲れてきた時や不安になった時は私たちを頼ってくださいね。皆んなで一緒に支え合いましょう。